短編一覧

んひぃ

 犬の糞害に悩んでいた葉山さんは、決まって糞をされる、家のすぐ目の前の電柱に張り紙をした。 「農薬散布中! ワンちゃん近づけないで」  それらしく見えるよう小麦粉を撒いた。  翌朝、電柱の前...

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怖い話を聞く

 怪談を話してくれるという方とのアポイントメントが続けて3件飛ばされる。  そのうち一人は「とっておきの怖い話があるんです」と話した、義理堅そうな女性だった。  どこか、嫌な予感がします。

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献花台

 霊感の強い黒田君は事故現場にあるような献花が大の苦手だという。  ほらたまに見るじゃないすか。ちっちゃい子が轢かれて死んじゃった場所とかに。いや、お供え物する気持ちはすげーわかるんすよ。  ...

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どうして。

 そのとき星野さんは翌日の予定を考えていた。  午前中は定期の申請をして、昼休憩時には銀行に行かなくては。  深夜だった。  毎週木曜のお決まりのゴミ出しに、星野さんはほぼ無意識に玄関ドアを開け...

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池干し

 その公園の池は、水を抜いて天日に干していた。  粕谷さんが通りかかったとき、池の底には巨大な眼が映っていたという。  眼はじろりと粕谷さんを睨みゆっくりと消えた。 「なにか良くないことが起きる...

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下水口

 神田川沿いの歩道を歩いていたら下水口が目に入った。  80センチほどの直径の穴から、動物が顔を出しているように見えた。 (タヌキ?)  樽井さんは覗きこんだ。  タヌキではなかった。  瓜...

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歩きスマートフォンには注意

 折戸さんが熱心にスマートフォンをいじながら歩いていたときのことだ。  ガツン。  足に衝撃が走った。  岩のように硬い感触だった。  顔をあげた折戸さんの視界に映ったものは脇の欠けた地蔵。 ...

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深夜の満員電車が趣味

 田邊さんは仕事一筋の中年男性。スーツがよく似合う。  酒も煙草もやらない。  唯一の趣味は、深夜の満員電車だ。人が多ければ多いほど格好のシチュエーションだ。  痴漢をする訳ではない。  人を...

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悲しい話

 高宮さんは幼少時、鬼に攫われたことがあるという。 「はい?」  私が笑って聞き返すと、彼女は黙ってシャツをめくり、臍を見せた。  臍には親指が三本入りそうな空洞があった。周りの肉は火傷跡のよう...

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眠る前にスマートフォンは開かない方がいい。

「昔は霊を呼ぶのにローソクを使っていたじゃない」  と森田さんは言う。 「最近は使わないですよねローソク」 「停電の時くらいよね。じゃあ現代でその代わりは? スマフォなのよ。寝る前にスマフォで何...

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高架下で道を塞ぐ女

 高野が高円寺でバイトを終え、自転車で隣駅の阿佐ヶ谷に帰っている時だった。  高架下の道を一直線に走っていると、中央に女が立ち尽くしていた。 「なんですか?」  一瞬勤める飲食店のお客さんかと思...

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引っ越す前にアパートへ悪戯

 大屋は就職を機に、それまで住んでいた栃木の実家から都内に引っ越した。  しかし就職した会社は半年で潰れ、当時付き合っていた彼女には手痛い振られ方をしたそうだ。  おまけに一年で大きい病気を二度し...

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小さいおじさん

 赤月さんがテレビを見ている時だった。  ふっと鼻先でお線香の匂いが漂った。  振り向くと、ジュース缶ほどの大きさの中年男性が、コタツの上で胡坐をかいていた。 「しんじゃろか、な」  赤月さん...

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ムカデ

 古木さんは帰宅途中、煙草の自販機に硬貨を入れた。  かしゃ、と軽い音がして釣銭の返却口に落ちた。  よく見ると釣銭用のレバーがガムテープで下に固定されてあったという。 (これじゃ買えないわな)...

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標本

 金子さんはその日終電間際の満員電車に揺られる最中、背中に針で刺されたような痛みが走ったという。  降車駅である西荻窪で降りると大学生らしき女の子が「スーツの背中に虫がついてます」と教えてくれた。 ...

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