著者:別府一覧

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ソーシャル・ネットワーキング・サービス

 後藤さんは一時、Twitterにはまっていたという。  仕事上の知り合いや友達の友達に留まらず、趣味の食べ歩きや古着を軸にフォロワーはどんどん増えていったという。  見ず知らずの人の愚痴に同情し...

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彼氏からライン

 直実さんが最近始めた仕事の職場は彼氏が住むアパートの近くだった。  そのことを告げると彼は「俺仕事だからいないけど、昼休みとか好きな時間に使いなよ」と合鍵を渡してくれたという。 だがその頃には...

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歩きスマートフォンには注意

 折戸さんが熱心にスマートフォンをいじながら歩いていたときのことだ。  ガツン。  足に衝撃が走った。  岩のように硬い感触だった。  顔をあげた折戸さんの視界に映ったものは脇の欠けた地蔵。 ...

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ただ不思議な話

 浜田は180センチ、85キロの巨漢である。  どちらかといえば象に似ている男である。  先日彼の結婚報告があり、数年ぶりに新宿で顔をあわせた。  怖い話はないかともちかけると「基本的にそういう...

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中央線にて、立川から新宿方面に乗っている時。

 太郎君が中央線にて、立川から新宿方面に乗っている時。  時刻は十九時前だった。  席はちょうど埋まっており、太郎君はドア前のバーを掴みながら電車に揺られていた。  隣に立つは大学生くらいの...

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長風呂

「東京のなにが嫌って、お風呂が狭いとこよ。七万円もかかるマンションなのにユニットバスなのよ。地元だったら3LKDにだって住めるのに」  杉浦さんは大のお風呂好きだ。 「デトックスっていうか、体内の...

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深夜の満員電車が趣味

 田邊さんは仕事一筋の中年男性。スーツがよく似合う。  酒も煙草もやらない。  唯一の趣味は、深夜の満員電車だ。人が多ければ多いほど格好のシチュエーションだ。  痴漢をする訳ではない。  人を...

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悲しい話

 高宮さんは幼少時、鬼に攫われたことがあるという。 「はい?」  私が笑って聞き返すと、彼女は黙ってシャツをめくり、臍を見せた。  臍には親指が三本入りそうな空洞があった。周りの肉は火傷跡のよう...

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眠る前にスマートフォンは開かない方がいい。

「昔は霊を呼ぶのにローソクを使っていたじゃない」  と森田さんは言う。 「最近は使わないですよねローソク」 「停電の時くらいよね。じゃあ現代でその代わりは? スマフォなのよ。寝る前にスマフォで何...

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自販機の当たり

 和田はSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の熱心なユーザーだ。  TwitterからFacebook、mixi(こちらは既に更新していないが)Tumblrなど、合わせて5つものサービス...

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高架下で道を塞ぐ女

 高野が高円寺でバイトを終え、自転車で隣駅の阿佐ヶ谷に帰っている時だった。  高架下の道を一直線に走っていると、中央に女が立ち尽くしていた。 「なんですか?」  一瞬勤める飲食店のお客さんかと思...

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にゃんこがきたよ

怖い話ではない。不思議な猫にまつわる話。 本人の強い希望により記す。 内海さんは小学校二年生から六年生までの間、猫を飼っていた。 黒い猫のジジ。 母親の知人が家の事情で飼えなくなり、引き取...

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風呂掃除

 五十嵐さんは大学生の頃、大学の近くで一人暮らしをしていた。  無論たまり場になった。  同じ学科の友人、サークルメンバー、はては友達の友達まで……。  が、元来おおざっぱな人間なのでさほど気に...

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バッタ饅頭

 内村さんが子供の頃、近所には宗教に熱心なオバサンがいた。  その人の家からは昼夜問わず、不思議なお経のようなものが聞こえてきた。  近所には独身寮が多かったせいで、子供は少なかったそうだ。 ...

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風呂にまつわる怖い話

 五年ほど前に働いていた職場で、後輩に大場という男がいた。  彼は不潔さを豪胆である証拠と思っていたようで、爪楊枝で歯垢をそぎ落とすおぞましい場面や、耳垢を指でほじくって匂いを嗅ぐという凄まじい場面...

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便所の怪談(社会人ver)

 便器の上には水を流す為の押しボタンがついている。  男性諸君であれば想像がつくかとは思うが、あの金具は反射する。  篠川さんはいわゆる「ブラック企業」に勤めていた。  その職場ではトイレ休...

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大学に入学したばかりの頃の話

 北澤が大学に入学したばかりの頃の話だ。  仕送りの額も少ないので、彼は住居を安普請のアパートにするしかなかったそうだ。  今ではインターネットでは悪名の高い、あの会社の賃貸住宅だ。  隣人がテ...

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職場での分煙

 成田さんの職場は新宿某所にある。  それまでは喫煙可だった職場フロアも人が増えたことにより完全分煙になったそうだ。  多々見られる光景であるが、狭いベランダが喫煙スペースとして与えられた。 「...

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帰省時の怖い話

 年末の帰省時、井上さんは実家のある富山県のある町に帰った。  そこは大規模な工場が最近全面撤退したせいで、「町」というより「村」になりつつある地元だった。  大晦日、親戚との食事会を終え、両親と...

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引っ越す前にアパートへ悪戯

 大屋は就職を機に、それまで住んでいた栃木の実家から都内に引っ越した。  しかし就職した会社は半年で潰れ、当時付き合っていた彼女には手痛い振られ方をしたそうだ。  おまけに一年で大きい病気を二度し...

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ベビーカー怖い怖い怖い

 石見さんはベビーカーが苦手だった。  特に電車だ。うっかり乗り合わせてしまおうものなら、大体が嫌な思いをするという。 「平気で足にぶつけてくるし、いくらスペースをとろうと遠慮がない。それが当然だ...

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小さいおじさん

 赤月さんがテレビを見ている時だった。  ふっと鼻先でお線香の匂いが漂った。  振り向くと、ジュース缶ほどの大きさの中年男性が、コタツの上で胡坐をかいていた。 「しんじゃろか、な」  赤月さん...

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隣人にまつわる怖い話

「隣人はできるならちゃんと見極めた方がいい。引っ越す前に様子を伺うとか、夜にアパートの前を通ってみるとか」  私は四年前に引っ越しをした。  どうしてそんな話になったのか、いまいち思い出せないのは...

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プレゼント

「お正月のお休みに有給もプラスして……」  去年、橋本さんは年明けを北欧で過ごした。  二週間ほどの海外旅行は充実したもので、その後の会社は憂鬱で仕方がなかったという。 「空港から電車に乗って、...

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犬の散歩

 安達さんは仕事の帰り、自宅へと歩いていると大嫌いなものに出くわした。  電信柱の脇にじっと座る、けむくじゃらの犬。  そしてそれをぼんやり眺めるオバサンだ。 「嫌いなんですよ、犬。飼い主は可愛...

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蟻地獄

 夏だった。  ヨシノさんはいつもの帰り道、白いブラウスに汗の染みがくっきりついてしまうくらいの熱帯夜だったという。  駅から自宅までが、ゴミ捨て場が短い間隔にある路地だった。  曲がり角からぬ...

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ムカデ

 古木さんは帰宅途中、煙草の自販機に硬貨を入れた。  かしゃ、と軽い音がして釣銭の返却口に落ちた。  よく見ると釣銭用のレバーがガムテープで下に固定されてあったという。 (これじゃ買えないわな)...

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標本

 金子さんはその日終電間際の満員電車に揺られる最中、背中に針で刺されたような痛みが走ったという。  降車駅である西荻窪で降りると大学生らしき女の子が「スーツの背中に虫がついてます」と教えてくれた。 ...

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ひとをばかにしてはいけません

 山郷さんはレンタルビデオ店で働くフリーター。  その晩も日付が変わるまで働いた後だった。仕事中に取り置きしておいた新作ビデオが楽しみだった。  コンビニで軽い夕食を買い、家までの八分ほどの夜道を...

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隣人の騒音

 夏だった。芝田は窓を全開にして高校野球を見ていたという。  応援のトランペットに混じった歌声は徐々に大きくなっていった。  芝田は角部屋で住んでいたので、隣か、その隣の住人に違いなかった。  ...

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