ちょっといい話一覧

対峙で退治

 学生を終えるか終えないかのころだ。  母の実家に家族揃って帰省した際、仏間で一人寝ていて見事にうなされた。  よく覚えていないが、なにか恐ろしい夢を見て飛び起きる。シバシバする目をこすろうとした...

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魔法のセクハラ

 フリーター時代、あるところで時期を同じくしたアキヤマさんは、いつもぼんやりしていた。  もう疎遠になって久しいが、ほかの従業員に話しかけられてもニコニコ笑っているだけで返答をしないことが多々あった...

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晴男

 僕は第一印象が悪い。なにもしていないのに悪い。なにやっても悪い。  だから面接の類はまず落ちる。受かったのなんて、新卒のときと人の紹介ぐらいだ。あと派遣とバイト。  採用されないことを分かってい...

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アイニキタヨ

 とある飲食チェーン店で、小遣い稼ぎをしていたときのことだ。  僕は、深夜に出勤し三時間ほど閉店後の後片付けや一部の開店準備を行うだけの存在だった。実質、「お店」とはあまり関わりがない。  ある日...

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頼りなくて足る

 世間様が、正月気分に浮き足立つある年の暮れ。  もはやタコ部屋に近いところで、出稼ぎしていた。 「十の成功で得た信頼も一の失敗で失うからな」  どこかで誰かに言われて覚えたのか、偉そうにこんな...

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家宝はここ掘れ

 お天道様が、これでもかと照りつけるある真夏。  灰になりそうな身体を引きずり、わざわざ向かった先にロクなことが待ち受けていないのは分かっていた。 <誰も来てくれない、助けてくれ!>  そり...

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秘匿の心得

 おもかる石伝承というのは全国各地にあるらしい。多少の違いはあれど根本的な部分では大差ない。  大人になって試してみたものはどうとして、幼少期の怪しい記憶にある一つ。  当時、以前に発症した盲...

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ワンチャン転生

 まだ実家住まいだったある日、兄が犬を連れて帰ってきた。  生きてんだか、死んでんだか——もうヨボヨボで、汚いを通り越して油の回った安物の唐揚げを踏んづけたみたいなやつだった。 「どしたんよそれ?...

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