『某』による怖い話一覧

シュウマイお化け

「シュウマイのお化けが出るからヤダ」  同級生数人と初詣に出かけた道すがら。昔から出る、出ると噂のあったマンションの話になって、シロノが言った。  件のマンションの前を通って行こうと言う話にな...

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ひっくり返る

 ——京都はどうですか?  当時の同僚——主婦パートのヒラオカさん——に当たり障りのないことをたずねたときのことだ。 「う〜ん。おかしなところやなと思いました」  変に感染った関西弁が答えて、僕...

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いい人

 よくない知らせは突然だった。酒もタバコもやらない。おかしな薬も持病もない。  僕が知る限り、僕の周りでは限りなく頭も身体もまともなやつだった。ついでに一番巨根。  ICUから抜けたそいつはい...

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龍と人の化かし合い

 自分の男が飲めないからといって、人を愛の巣に呼びつけるのは止めて欲しい。  旦那不在の自宅でマリエちゃんはご機嫌に出来上がり、ようやく帰って来た家主は僕に「ただいま」を言うと早々に寝室へと消えてし...

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メッセージ・イン・ア・カプセル

 お昼に食べるラーメンだけを楽しみに、エロショップへ出勤したある日。  店の前に見慣れないライトバンが止まっていて、店長が荷卸ししていた。 「おう、これ運んでくれ!」  挨拶も抜きにご挨拶だ。タ...

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マッチポンプなロミオとジュリエット

 見える人は、見える(と主張する)人を疑ぐってかかる。  こちらからすれば、まとめて「自称霊感さん」なわけだが……だって幽霊なんか見えないし。 「自分と同じものが見えてたら信用する」  異主、指...

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NO IMAGE

ヒミツ

 今日も跳んでる。  ピョンピョン、ピョンピョン跳ねている。  ピョンピョン、ピョンピョン、ピョンピョンピョンピョン——  前に見てから二週間。いや、一ヶ月かな。一週間……?  蝶々じゃない。...

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現代式退魔法 a.k.a 封淫

 インテリアのように並ぶオナホールに絶句した。  愛車に乗せたぬいぐるみみたいに、TE◯GAに始まり多種多様なシリコン製ジョークグッズが肩を寄せ合っている。  ハテ? 仕事が終わったのか、今から仕...

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隣の芝生は青い

 今時どこにでも転がっていそうで、でもそうそうないようで……。  やっぱりある複雑な家庭事情の人の話はよく聞かされる。  フリーター時代に知り合ったブッチは不憫な子だった。  ブッチの母親が...

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賛否の齟齬

 変な時間に寝て、起きてする人間だから、おかしな時間に食事を取る。  学生の下校時間にブチ当たって、合間をぬうようにフラフラと近所のホカ弁に足を向けていた。  落とし物——。一瞬、お守りに見えたそ...

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旅する名刺

「つえの手を持つ所をはそん ◽︎こまっています  至急 作ってもらえませんか」  わけの分からないお願いを頂戴したのは、自宅マンションの駐輪場でのことだった。  出勤しようと原付にまたが...

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悪魔の証明

「チーズフォンデュは悪魔の食べ物だ」  トンデモな主張をして来たのは、知り合いのムラカミだった。  ワキガの味がしてカレーパンは食べれないという人間に出会ったことはあるが、悪魔の食べ物とはこれいか...

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空のカケラを伝染し取る

 カシャ、カシャと音が聞こえる。  スマホで写真を撮っている音だ。  音の"源"をフワフワと探っていて、お召し物はミリタリー柄で揃えた高校生ぐらいの男女数人が目に入った。自撮りしているようだ。顔に...

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パラレル鉄道の旅

 やることのないときはどうするか?  一人暮らしの知り合い宅に転がり込んでゴロゴロするのが一番だ。  男三人、ワンルームで空き缶とテレビを見つめて口の端々から好き好きにこぼれる言葉は、会話になって...

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同胞認定

 飲み会まがいで知り合ったナミさんは複雑なお人だった。  当時でアラフィフだったが、とてもそうは見えないお綺麗な方で既婚者だった。 「私が彼氏いる理由分かった?」  僕の隣にいた彼女は、そう言っ...

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ニの轍降らず

「頭上禁止」  ある日、当時住んでいた自宅マンションの廊下でおかしな貼紙を見た。  共用部の廊下の壁に貼られたそれは、手前で右に曲がってすぐの部屋に住む僕には、わざわざ確認しなければいけないものだ...

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お相手いらぬお客様

 なにかおかしな夢を見た。  分かりやすい怖い夢でなかったことは覚えている。が、どうも起きてからもやもやとしてどこか気分が悪いのを引きずる感じだった。  顔だけ洗って乱暴にカギ束を掴み家を出る。時...

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対峙で退治

 学生を終えるか終えないかのころだ。  母の実家に家族揃って帰省した際、仏間で一人寝ていて見事にうなされた。  よく覚えていないが、なにか恐ろしい夢を見て飛び起きる。シバシバする目をこすろうとした...

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初耳です初見です

 幽霊は見えないが、オーラが見えるという女の子がいた。  知り合いの当時の彼女で、チエちゃんという非常に献身的で明るい人だった。  僕はてっきりスピリチュアルな人だとばかり思っていたが、そうで...

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人生バンザイ

 僕は人の笑顔というものに慣れていない。  訝しげな視線やなにか得体の知れないものを見るような目には慣れっこだが、ニッコリ微笑まれるとどうも苦手だ。  今から騙しにかかるぞといわんばかりの企みの表...

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挨拶は大事

 僕は知らない人によく挨拶をされる。  すれ違いで深い意味なく交わされる会釈や人違いの話ではない。  僕の目つきが悪過ぎて、ついつい頭を下げられてしまった場合でもない。  ただ、そんなときはよく...

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ざんない三昧

 団子、饅頭、おにぎり、マシュマロ、ゆで玉子、ご利益のない大仏、縁起でもない福助、誤解招き猫、ラリパッパ星人……。  よくぞまあ、人様を好き勝手呼んでくれるものだと思う。最後の方なんか、もはやあだ名...

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覗き

 母の実家に帰省したときのことだ。  突然の大雪に足止めされて日帰りのつもりだったが、急遽、一泊することになった。  それはいいが、晩飯を平らげたあとに贅沢した一本を最後でタバコを切らしてしまった...

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見たくない?見られたくない?

 タバコを切らして、寝起きに近所の自販機まで買いに出かけたときだ。夜も遅かった。  いざ自販機の前まできて、タスポを忘れたことに気づく。それも、すでに大量の十円玉を投入したあとのことだった。  当...

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体験学習

 今、生きている世界とほぼ同じだが、別の次元があると聞いた。  一説には、その世界から"こちら"に迷い込んだ自分がドッペルゲンガーの正体だとかなんだとか……。    *  名前も分からぬ...

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一会の宴一期の怨

 寝ても覚めてもそのことばかり。  あぁ、愛し狂おしきかな、あの薄桃色のアホ面……  街中で偶然目にしたウーパールーパーちゃんに一目惚れして悩んでいた時期があった。  世話が追いつくだろうか...

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砂鉄に磁石

 道路の右手側に一件のコンビニがある。  少し進んだ先、今度は左手側に同系列のコンビニがまた一件。  こんな光景を、目にしたことのある人もいるかと思う。  二店舗とも同じ経営者だったりするが、経...

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狐の子

 僕は昔から怖がりのクセに、怖いものを見たがった。 「あなたの知らない世界って怖いけど見てしまってたよね~」なんて他愛もない話をイタクラさんとしていた。仕事そっちのけで。その流れで僕の祖母がその昔、...

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少年となにか

 気、開運、法則、波動、チャネリング、パワースポット……。  僕は、スピリチュアルな方面に関してあまり明るくない。  ただ思うところ、宇宙からのメッセージをダイレクトに受信しているような人に限って...

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ホウチペッパー

 お盆が近づき思い出したことがある。  異主や指輪で書いた店長が赴任してくる前。同じ店で、店長がまだ前任の人だったころの話だ。 「今日は早く帰ろう」  数人で閉店作業をしていたら、店長が珍し...

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