袋はイロイロ大事で謎

「みんな信じてくれないけど、私おじいちゃんに抱っこされた記憶あるんですよ」

 そう話してくれたのは、同僚で主婦パートのシミズさんだった。自分が生まれる以前に既に他界していた祖父に思い出があるという。
「家族が言うにはあり得ない、って。でも、顔だってなんとなく覚えてるし」
 不思議な話だ。幽霊にでもあやされていたというのか。
「布団の中で抱っこして添い寝してくれたんですよ。ゆりかごみたいで、すっごい気持ちよかったんです」
 それが未だに引っかかっていて、どうにも真相を知りたい。けれど、どうしようもないのだという。
 旦那さんに言っても、「またその話か」という顔をされるので家では話題に出せない。だから、そこかしこでこの話をしているらしい。

<お母さんのお腹の中にいるときの記憶なんじゃないかな>

 自称、霊感があるという人間の見解を受け売りで伝えた。
 なるほど、と納得しかけて、え? と動きが止まる。シミズさんの。
「でも、それって……ッ! 私がお腹にいるとき、おじいちゃんと私の母親が一緒の布団で寝てたってことですよねえ?!」
 そういう考え方もできます、ね。

「抱っこして添い寝で、揺れながら凄い気持ちい……っ!」

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某

ヤレバデキルコモドキ科。口は災いの元が学べない。
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