丸投げ

 スーツ姿で帰ってきたある日。ポケットの中のものを整理していた。
 賞味期限の切れたタバコ、焼けたくしゃくしゃのレシート、期限切れの割引券に付箋紙に似たガムの捨て紙、書けないボールペン、謎の外国紙幣、外れクジ、10円、5円、1円……

 四つ折りのコピー紙――

 胸の内ポケットから出てきた。覚えのない色々の中にあって、察しのつかないのはそれ一つだった。

 「定例会開催のお知らせ」

 広げてみるとそう見出しされたワープロ打ちが目に飛び込んだA4サイズ。
 縁もゆかりもない特定非営利活動法人の名があってしかも宛名が「常任理事各位」となっ――
 裏にメモ書きがある。

<チャネリングしてきた きすぎ マルオカにキく>

意味不明の色々の中にあって、分かって意味不明なのはそれ一つだった。胸の内ポケットから出てきた紙に書かれていた。

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某

ヤレバデキルコモドキ科。口は災いの元が学べない。
某

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