天下の回り持ち

「一昔前の話。ウシジマくんとかナックルズで出てたらゴメンね。サラ金は回収の見込みが立たなくなった責務者の債権を闇金に売ってたんだよ。闇金はそいつらの知り合いからむしり取るために、責務者同士でお互いの知人友人相手に寸借詐欺をさせていたんだよ。責務者と闇金の間に入ったヤクザだ、と。責務者を助けるためにお友達さん、お金を自分に貸してくれ。返すあてはある――借りたお金を返すための資金を用意してくれ。自己破産なり飛ぶなりする前の一仕事」

   *

「結局、人間自分がかわいいからさ。やっちゃうんだよ。知人友人平気で売って、人の知人友人平気で騙して。自分の知人友人じゃないから余計できちゃう。自分の友人知人も同じように騙されてるから、って――
でも、そうしないと殺されちゃうからさ、闇金も闇金で回収できないと上に殺されちゃうから……情けをかけた善人以外は、間違いなく命がけなんだよ。返さない金を相手の貯金が底つきても借りるの。借金させてまで借りるの。良心の呵責に耐えかねて、自分のために自分の友人知人が騙されてるのはいいけど、自分が騙すのはもう嫌だ、って。でも、闇金は許さない。絞り取れるところまで、絞り取らせる。子飼いの責務者同士で。二重恐喝の形になっても。
特に沢山借りれるやつは離してもらえないよね。そのうちなんで自分が借りてるのに闇金にずっと金がいくんだ? って。
だから、どうせいつ誰に訴えられるか、殺されるかの人間だから、闇金に渡さない分まで詐欺しだすの。見知らぬ責務者の知り合い相手に、お前が借金してでも誰かを助ける金を用意してくれ、って」

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「いつの間にか大元の闇金で借金させられて、そのゲームに参加させられてるやつとかいるのかなあ。カイジみたいだね」

 ――――兵庫で聞いた話。

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某

ヤレバデキルコモドキ科。口は災いの元が学べない。
某

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