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色情霊

 多枝子さんは胸の形がよくわかる、Vネックのストライプ柄シャツを着こなしていた。化粧の匂いが鼻の悪い私にも届いた。  メニューを眺めている時、ベージュのブラジャーがちらりと覗いた。 「金縛りがずい...

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首無し

 五日市町(現あきる野市)出身の人から聞いた話。  夜半になると、彼の実家前の舗装されていない道路を、T字形の人間が、端から端まで走る。  1989年から1992年までの三年間、深夜まで起...

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新社会人に向けて

 終電間際、かかってきた電話対応をしている田辺さんの鼓膜に電話越しではない、草笛に似た細高い音が届いた。 <……誰だろう?>  何者かがふざけて口笛を吹いているのだと思った。  だが電話を終えて...

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八王子在住

 大学に入学したばかりの頃、吉木さんは友人同士でドライブに出かけたという。  ドライブをスタートして一時間ほどで道に迷った。  吉木さんは生まれも育ちも八王子。選んだ大学も八王子にある創価大学であ...

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携帯オンチ

 五十歳間近である山福さんはいまだガラケーを愛用している。 「私、アナログ脳だから。このままスマフォなんて一生使わないつもり」  ただそれでも日常のこまごましたことに、携帯電話は使用している。...

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たぶん最後が一番の嘘

 これからする話はエイプリルフールらしく嘘である。嘘の話である。増永さんという男性は存在しないし、私が聞いた話ではない。ゆえに聞き手である私が通報すべき案件ではない。  2013年5月のことであ...

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勧告

 連休の前日、國松さんは飲み会でしたたかに酔い、新宿駅ホームを歩いている最中にホームから転落した。 「落下する感じに酔いが一発で醒めたよ。いやぁやっぱり落ちる瞬間に色々考えちゃうんだよなぁ」  あ...

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二つ並んだ布団

 数年前の話。  嘉人さんが仲間同士で沖縄旅行をしたときの話だ。  就寝にはまだ早い時間、ハメを外し足りない悪友たちは昼間の疲れもそこそこに、夜の街に繰り出そうと声をかけてきた。  沖縄のあるエ...

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決まり事

 愛媛の南予地方にある進学塾では深夜の作業中、西側の階段を昇る際には『手を鳴らしながら歩くこと』という決まりがある。  なにかを見かけたとしても口外を禁止する誓約書を、新人講師は採用時に書かされ...

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初詣

 初詣に行ってきた北野さんが、帰宅時に驚いた話。 「友達の男連中と行ったから、もう境内でお酒飲み始めちゃったのね」  すると誰かが倒したコップ酒が、北野さんが買ったばかりのお守りを酒浸しにしてしま...

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クリスマス 三題

 白山さんは毎年クリスマスが近づくと、右手の薬指に切り傷ができるといいます。  そうなるのは四年前、不倫相手と別れてからだそうです。  奥様は何も聞いてきませんが、娘さんが「なぜ」「なぜ」と聞いて...

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女はすぐに「許さない」「許して」と言う

 詩乃さんが語った話。 「旦那が心霊スポット行って帰ってきたの。もう十年くらい前だから……アイツもまだ三十手前だった頃。馬鹿だからそこで立小便か何かしたんだって。で、帰ってきて酒飲んで寝たの。あたし...

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縊死

 ロフトに登る階段に縄をかけ、古家具屋で購入したチェアを台に首を吊る夢を、松元さんは秋から冬にかけて二十回は見ている。  夢はチェアを購入した日から見ているという。

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絶交

 菅原さんは以前勤めていた職場に仲の良い同僚がいた。友人と呼んでも差し支えない二歳年上の女性だった。  職場が倒産し(小さい編集プロダクションだった)次の勤め先はバラバラになったものの仲は変わらずだ...

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札幌の事故物件

 三十代前半のとても綺麗な女性、赤嶺さんが北海道は札幌に住んでいた頃。  彼女は二十代前半、両親との関係悪化にしたがい一人暮らしを余儀なくされた。  金はない。  選ぶ余地はなく、札幌でも安い方...

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ゆくえふめい

 ノボルさんの実家は鳥取の『超』がつく田舎である。  隣家は数十メートルで、裏手には山へと続く林が広がっている。    ある日の遅くなった夕餉のとき、音がする。話し声が家の外からする。  誰か...

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アルタ前にて

 午前零時四十九分五十六秒。  アルタ前の広場の真ん中で四十歳代らしき男が裸で体育座りをしていた。首から『好きでやってます。絶賛便器中』という紙を下げていた。  なんというか、あからさまな存在だっ...

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インザ新潟

 昭和六十一年のある日の午前、新潟は巻町の空が薄暗くなったのです。小学校の前でした。生徒と教師らが何事かと外へ出て見ると、幾千幾万という小さな小さな丸石が、宙にて擦れあっていたのです。それは五月雨の如...

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子供のころ 三題

 「備某録」管理人:円満ゑび寿氏より聞いた話。    清水さんが幼少時、飼っていたハムスターが妊娠した。  父親から「何匹産まれると思う?」と聞かれた清水さんは、目の前のハムスターをじっと見つめ...

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Q&Aサイト

 一年前に聞いた話であり、その間ブログにまとめるか躊躇していたものだが本人の強い希望により掲載する。  Q&Aサイトとは、利用者が質問を投稿、公開し、質問を募って疑問を解決するサービスの総称であ...

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赤羽の引くほど汚い居酒屋で聞いた話

 この間さぁ、仕事で四国行ってきたよ。つまんねぇビルの工事で。仕事はつまんなかったけど、そこで面白い話聞いたよ。  俺が工事したビルは食品加工を昔からやっている会社だったんだ。だいぶガタがきてたけど...

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のっとられ

 現在タクシー運転手をされている康之さんが中学生の頃。  父親に誘われ登山に行った。  場所は東京の奥多摩。  中学生になり、康之さんとの交流がすっかりなくなってしまった父親が企画した登山だった...

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ヤバい

 連休を利用して恵子さんは実家に帰った。  届いていた暑中見舞いの裏にはお手製クロスワードパズル。  相手名は見たことも聞いたこともない男性の名前だった。 <二人が初めて見つめあった日は> <...

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性の目覚め

 中学生時代、福澤さんは猿のように盛っていた。 「もうほんとにね……辞書に載ってる女性器名だけで、一人楽しんでたよ」  阿呆であることは間違いがないのだが心から笑える男性はそう多くないはずだ。私だ...

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出会い厨

 辻さんは以前、交際相手から失踪されたことがある。 「まぁ俺、いわゆる色きちがいだから。とりあえずヤレそうな女いたらヤルみたいな。出会い系、クラブ、合コン、キャバクラ。何でも」 「顔なんて特にこだ...

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早寝のススメ

 パソコンの後ろ。白い壁。時折、影が横切る。  モニターの時刻はAM2:00を指す。  振り返れない。  背後から『ブン、ブン』、手のひらで宙を扇ぐような音がする。

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おいかけっこ

 健太は高校時代は野球小僧だった。  かつては陽に焼けた身体が鋼板のように引き締まっていた。  しかし月日の流れは彼の肉体にたっぷりと脂肪を蓄えていく。週末の飲み会。連日の油もの。徒歩移動は少ない...

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バケモノの子

「化け物化け物化け物化け物」  身なりの汚れたお婆さんが空を指さしていた。  隣の中国人も口を半開きに見ていた。  通りがかった君谷さんもつい空を見た。  そびえたつ高級マンションに、大きな大...

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鎮座していた

  祥太さんは昨年の盆、帰省中の弟から「俺は霊見たことあるんだ」と告白されたという。  場所は二人が酒を呑んでいるリビング。時期は十年前。  弟がテレビを見ていたときだ。  なんとなくテレビから...

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インターチェンジ

 東海地方にある山岸さんの実家はインターチェンジの近く。  初めてその話を聞いたのは中学生の頃。  いつから言われ始めたかは不明。どのくらいの範囲で広まっているかも不明。  だが少なくとも近所で...

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