しゅぽぽさん

 コピー機の保守点検を生業とされる冨田さんが、新宿駅は京王線ホームにて耳にした声かけ事案。  それは中年男性が、保護者と思わしき老夫婦と離れた未就学児に一方的に話しかける、会話とは呼べないものだった...

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アンバランス

 歳を重ねると弱くなる。年々、弱ってくる。もう虫の息。常におねむ。  あれだけ嫌がっていた病院にも、自ずから足を運ぶようになってしまう。  そのときは耐えられない高熱に、歩いて15分程度の病院へか...

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商法

 とある人には聞いた話。名は伏す。  本来『葬儀場』はお祓いをすべきだと、その人は主張する。  神奈川県西部の○○○という葬儀場はお祓いをしない。  オーナーがコストがかかることを嫌がるから、と...

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性悪は誰の仕業?

 僕の周りは、姉さん女房をもらった人も多い。  良妻賢母な素晴らしい女性から、まるで少女のような、ずっと女の子のままで、なにがなんでも女です、永遠の1○歳とやらまで色とりどり。  で、旦那の友達と...

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斎場の霊

 葬儀社に勤めていた薫さんは不思議な体験をされている。  彼女自身は忙しさから仕事を退職したが、  ――あそこ祭壇の花と花の間から、毎回顔が覗くから怖い。  と言い残して辞めていった後輩がい...

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頼りなくて足る

 世間様が、正月気分に浮き足立つある年の暮れ。  もはやタコ部屋に近いところで、出稼ぎしていた。 「10の成功で得た信頼も1の失敗で失うからな」  どこかで誰かに言われて覚えたのか、偉そうにこん...

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せっかちな人

 葬儀社に勤めていた薫さんは不思議な体験をされている。 「数珠パァーンなんて当たり前なのよ。あんまりに破裂するもんだから、数珠なかったら太っちょのあたしがパァーンされるんじゃないかと思ってビクビクも...

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占い師のつくり方

 よく当たる占い師。  電話のみの受付で……  普段は専業主婦をする普通の人で……  財界の大物や政界の要人、セレブなあの人からヤクザなその人まで噂がつきまとうかの人——  是非、一度お目...

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マンションエントランス

 合田さんは夜道、新築のマンションの前を通りがかった。  エントランスの自動ドアのすぐ向こう側に、黒い人影が大の字で張り付いていたという。 「……人だったら自動ドア開くはずよね」  そのマンショ...

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ミドリマン

 子供のころというのは、不可思議な体験を多くする。  記憶は曲がっているのかもしれない。なにしろ古いうえに、そもそもが頼りない時期だ。でも、不思議と鮮明に覚えていたりもする。  幼稚園の年中か...

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駅のホームでキャンディキャンディを歌った青年

 ヒロさんがホームのベンチに座り、新聞を読みながら通勤電車を待っているときだった。 「新聞読んでいたら耳に入ってきたんです。とても上手でしたねぇ。まるでアニメの声優さんのようなレベルで歌っていました...

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夢の中へ

 人が死ぬと、なんにせよ生きているものが動かなくてはならない。 「絶対に土葬で」  法律で禁止されてなお、僕の母の実家付近では頑なにそう希望する年寄り連中があとを絶たない。  その土地、土地の根...

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好奇心は猫が殺すか?

 もう何年前か忘れた。同級生の女の子が自殺した。飛び降りだった。  中学生の終わりに同じクラスだったことは覚えている。ほとんど登校しない、あまりいい噂を聞かない部類の人間だった。  夢を見たのは、...

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賃貸高層マンション

 奮発して借りた家賃十万円超えの高層マンション。○○駅から徒歩3分。新宿にだって歩いていける。1Kだけど13階。眺めは抜群。  だがカリカリと窓を掻く音が聞こえる。  引っ越し直後から鳴りやまない...

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原発怪談 其ノ四

 原発の夜は静まり返っている。  ほとんどの出入り業者は夕方には引き上げていくから人気がない。  夜霧がかった原子炉はどこか不気味で、無味な、彼自身にはなんら意思のない、見るものが勝手に様々を抱く...

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巨頭老人

 歌舞伎町での話だ。 「あずま通りをいってセ×××らへん曲がったとこに駐車場あるでしょ?」  風俗の案内所に勤める大島に酒を奢ると渋々ながら教えてくれた。 「終電の客も帰って、ひと段落ついたんだ...

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原発怪談 番外編

 ヤマダさんは僕を原発の世界へ引っ張り込んだ張本人だった。  元自衛官で、それからは一般社会に馴染めず職を転々としているうちに鬱になった王道パターン。  いわゆるボーダー気質で境界性は元より、自己...

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まじめなおとこ

 小倉が六年ほど勤めた会社が、ようやく派遣社員を数名採用することになったという。  数年彼女がおらず出会いの機会もなかった小倉は静かに歓喜した。  遊びのつもりは毛頭ないマジメな男である。誰かと付...

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原発怪談 其ノ三

 日本の原発は世界最高峰の警備レベルを誇る場所——と、されている。  実情はご想像にお任せするとして、僕がメインで仕事をしていた原発は全国的に見てもちょっと特殊で複雑な構造をしているところだった。 ...

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古着屋で一週間アルバイト

 畠山くんは十年ほど前、古着屋で一週間アルバイトをした経験がある。 「店長がロスから直で買い付けてくるんで、セレクションがけっこういい感じだったんすよ」  アパートの一室を改造した小ぶりな店だった...

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原発怪談 其ノ二

 原発でそういう噂は立たないのかと聞かれると、むしろ宝庫だったりする。  気性の荒いドカチン同士の小競り合いが事務所襲撃→発砲沙汰に発展したり、それが全く表沙汰にならない別の意味の怖……うん。あくま...

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やっぱり家が一番

「いや失敗したよ」  浦部さんは年末のことを思い返しながら話した。 「たまにはってことで、横浜のホテルで正月過ごしたんだよ。うちはまだガキがちっちゃいから遠出もできないし、安く泊まれるツテがあった...

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原発怪談

 いわゆる原発で出稼ぎをしていたときの話だ。  守秘義務がどうの以前に書けないことは山ほどあるが、どこぞの電波でもあるまいし僕は通信妨害を受けているわけではない。ギフハブとやらに監視もされていない。...

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三面鏡

「『視える』って大変なの。大変だけど不思議な体験なの。何が不思議って、十代の頃にしか見れなかったから」  二つ前の記事に載せた『アイちゃん』から聞いた話。 「都営住宅から今のアパートに越してき...

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チューニング

 小学生のころ、放課後に男女数人で誰もいない教室に残ってお喋りするのが楽しかった時期があった。  僕のロクでもない人生で、ほんのひと時、手放しで幸せだったと言える時期かもしれない。  昨日見たテレ...

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くろいむし

 アイちゃんは今時の若い女の子。  鮮やかな紅い口紅、太い眉、長めに引いたアイライン。  ゆったりとした白いセーターににタイトなパンツがよく似合う。  新宿駅なら一分間に二十人は見る量産...

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変化か復帰か変某か

 結構な人数で某夢の国へおとずれたとき、あるジェットコースター系アトラクションの順番待ちをしていた。  僕は、それほど絶叫マシンが得意な方ではない。ゴメン。大嫌いデス。  それでも、どうしても乗れ...

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Twitterの裏垢

 裏垢とは「裏のアカウント」を指し、オープンにできない情報(愚痴・悪口・オタク趣味)を公開するTwitterのアカウントである。  誰しも裏の面をもち、また厄介なことにその表情を誰かに知ってもら...

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ホールの向こうはナンデスカ?

「知らない人についていってはダメ」  それだけ言い残して、母は一緒にきた公園から突然どこかへ消えた。  仕方なく一人砂場で遊んでいると、声をかけられた。  同い年か少し年上に見えた。男の子だった...

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隣の部屋が

一人暮らしの怖い話。霊道が通るアパートで起きた話。

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