NO IMAGE

てっきり一流企業の旦那さんがいて、お洒落な一軒家だと……

 熊岡さんは新興住宅街に夫と共に引っ越した時の話だ。  近隣に友達もおらず暇を持て余していた熊岡さんは連日喫茶店に入り浸り、読書に耽ってい...

記事を読む

NO IMAGE

おかしな家

「某さんとこお坊さんきます?」  以前の勤め先へ久方ぶりに顔を出したとき、ちょうど勤務を終えたコウタに聞かれた。 「僕の近所、昔からお坊...

記事を読む

NO IMAGE

喫茶店で聞いた話

 西荻窪の喫茶店。  私の後ろにはスーパーの買い物袋を座席に置く、二人の主婦。  盗み聞きするわけではなく、聞こえてきた。 「わかって...

記事を読む

NO IMAGE

なすりつけ

 慣れない、似合わない、それしか持っていない……。  スーツ姿で帰ってきたある日のこと。一人フリーマーケットに興じていた。  まあ、中々...

記事を読む

NO IMAGE

頭がお花畑

 それは『何気なさを装った』とこちらにも伝わってしまうような、不自然なまでのさりげなさだった。 「前のカレと別れることになった出来事って言...

記事を読む

NO IMAGE

コール

 漫画喫茶で暇を潰していた。  トイレに立ち、用を足していると電話のコール音が店内に鳴り響いている。  平日の真夜中で、客はほとんど...

記事を読む

NO IMAGE

オーラ

 有村さんは人間のオーラが視える。  美しいオーラは千人に一人程度で、ほとんどが煙草の煙を思わせる濁ったホワイトだという。  そして有村...

記事を読む

NO IMAGE

信じない人

 同窓会で泣きそうな顔をしているやつは、たいがい一人か二人はいる。  お前はなんで来たんだ? と言いたくなるぐらいにミサキさんは大人しか...

記事を読む

NO IMAGE

純哉と真奈美

 石崎は二十四の時、パチンコ店で純哉と知り合ったという。 「同い年だったし、なんか空気も似てたんだよね」  開店前の列に並んでいるうちに...

記事を読む

NO IMAGE

釣った釣られた

 すべきコトは、さて置き。したいコトは、置かざらず。  あまりにヒマだったもので、近所の川で釣りにいそしんでいた。平日の真昼間から。 ...

記事を読む

NO IMAGE

ソーシャル・ネットワーキング・サービス

 後藤さんは一時、Twitterにはまっていたという。  仕事上の知り合いや友達の友達に留まらず、趣味の食べ歩きや古着を軸にフォロワーはど...

記事を読む

NO IMAGE

カウントダウン

 僕の地元には、一方通行のトンネルが多い。  一応、車道に線引きはあるが、自転車は片側に区画された歩行者用通路を利用する場合がほとんどだ。...

記事を読む

NO IMAGE

別に何もしてないんですけど

 後輩の彼女から半年前ほどに聞いた話。  彼女は一ヶ月前より繰り返し同じ夢を見ているそうだ。  夢の舞台は彼女のアパートの入り口。 ...

記事を読む

NO IMAGE

愚犬転生

 まだ実家住まいだったある日、兄が犬を連れて帰ってきた。  生きてんだか、死んでんだかーーもうヨボヨボで、汚いを通り越して油の回った安物の...

記事を読む

NO IMAGE

猫潰し

 仁田さんは小学校低学年時、子猫を殺すしかなかったという。  父親より一匹につき五百円の小遣いが払われたせいだ。  ガレージに置いてある...

記事を読む

NO IMAGE

消えた花嫁

「本日籍入れました」  人が、ブルブル猛威を奮うスギ花粉に悶えているところへけったくそ悪いご報告をくれたのはササキだった。  当時、仲の...

記事を読む

NO IMAGE

ボスママから食い物にされた結果

 重野さんは当時四歳の娘さんがいた。  今から三年ほど前だが、旦那さんの転勤により都内某区に引っ越すことになったそうだ。  実家から離れ...

記事を読む

NO IMAGE

首吊り

 松崎さんが実家にいた頃。  夏の早朝、庭先の柿の木で、猿が首を吊っていたという。

記事を読む

NO IMAGE

電車内の液晶モニタ

 片山は三十一歳。昭和61年生まれ。  先月まで地元の群馬で仕事をしていた。 「満員電車はいまだ慣れないけど、こっちは電車の中にテレビが...

記事を読む

NO IMAGE

彼氏からライン

 直実さんが最近始めた仕事の職場は彼氏が住むアパートの近くだった。  そのことを告げると彼は「俺仕事だからいないけど、昼休みとか好きな時間...

記事を読む

NO IMAGE

効くんだ!

 街灯の少ない道だった。  広瀬さんが深夜腹を空かせてコンビニに行った帰り道。  場所は新潟県のなかでもとびきり田舎なところ。人通りどこ...

記事を読む

NO IMAGE

手形

 高校時代、万引きが日課だった酒井さんは当時手にした窃盗品(彼曰く戦果)の大半を封も空けず実家の屋根裏に仕舞いこんでいたという。漫画やアクセ...

記事を読む

NO IMAGE

一昔前のインターネット

 2000年頃、インターネット黎明期の話。  山賀君は実家に導入されたばかりのパソコンに熱中していた。  23時を超えるとテレホーダイと...

記事を読む

NO IMAGE

黒い霧

 一ヶ月ほど前から大和さんは視界の隅に黒い霧を認めている。  それはただ漂い、煙のように消えていく。  大和さんが日雇いすら首になり...

記事を読む

NO IMAGE

独り言

 山田さんの母親は、三十歳の時に『何かに』憑かれたという。  以来、母親は東北に実家の倉に幽閉されている。山田さんは幼少期から会っていない...

記事を読む

NO IMAGE

カナ ブンブン

 今年の夏はカナブンが多いと聞く。  大成さんがある日家に帰ると、玄関ドアの隙間にびっしり、カナブンがたかっていた。  思わずその場で飛...

記事を読む

NO IMAGE

被害者意識

「私一個しか盗んでないんですよ?」  今年三十三歳の岩崎さんは言う。大学卒業後アパレルや受付などを経て現在は主婦業。 「それなのにあそこ...

記事を読む

NO IMAGE

ブログ 二題

 愛恵さんが運営するブログはアクセスが少ない。日に一桁のアクセスも珍しくない。  ただそんな少ない読者でも、一人だけ毎度コメントしてくれる...

記事を読む

NO IMAGE

駅のトイレにて

 薮田さんはシステム会社の営業。四十一歳。離婚したが後妻の息子がいる。  飲み会の解散後、信濃町駅の便所での出来事。  小便をしてい...

記事を読む

NO IMAGE

アヒルのきゅうきゅう鳴るオモチャ

 近藤さんが深夜、シャワーを浴びている時だった。  高い音が耳をつく。  ――キュウキュウキュウキュウ。  なんだ?   近藤さんは...

記事を読む

NO IMAGE

Paul Smithの定価3万するシャツだけど

 蒸し風呂のような暑い日。  ベランダに干したシャツが揺れている。  読書から顔を上げた大輔さんが窓を見つめていると、シャツの袖がふらふ...

記事を読む

NO IMAGE

誰にも知られたくない

 不二井さんは三十代後半、独身。  仕事からアパートに帰宅すると、全裸になり寝転ぶ癖がある。  床には赤ん坊の写真が敷き詰められている。...

記事を読む

NO IMAGE

男と爬虫類 二題

 倉本という男が酒を飲んだ帰り道のことです。  昭和の宮城での出来事です。  ふらりふらりと歩いていると雪が降ってまいりました。  し...

記事を読む

NO IMAGE

ほそながい

 向山さんが帰路についているとき、自宅まであと五分というところの路上で――鶴のような首筋をした女が立っていた。 (こんなところで人待ち?)...

記事を読む

NO IMAGE

色情霊

 多枝子さんは胸の形がよくわかる、Vネックのストライプ柄シャツを着こなしていた。化粧の匂いが鼻の悪い私にも届いた。  メニューを眺めている...

記事を読む

NO IMAGE

首無し

 五日市町(現あきる野市)出身の人から聞いた話。  夜半になると、彼の実家前の舗装されていない道路を、T字形の人間が、端から端まで走る...

記事を読む

NO IMAGE

新社会人に向けて

 終電間際、かかってきた電話対応をしている田辺さんの鼓膜に電話越しではない、草笛に似た細高い音が届いた。 <……誰だろう?>  何者かが...

記事を読む

NO IMAGE

八王子在住

 大学に入学したばかりの頃、吉木さんは友人同士でドライブに出かけたという。  ドライブをスタートして一時間ほどで道に迷った。  吉木さん...

記事を読む

NO IMAGE

携帯オンチ

 五十歳間近である山福さんはいまだガラケーを愛用している。 「私、アナログ脳だから。このままスマフォなんて一生使わないつもり」  た...

記事を読む

NO IMAGE

たぶん最後が一番の嘘

 これからする話はエイプリルフールらしく嘘である。嘘の話である。増永さんという男性は存在しないし、私が聞いた話ではない。ゆえに聞き手である私...

記事を読む