アンバランス

 歳を重ねると弱くなる。年々、弱ってくる。もう虫の息。常におねむ。  あれだけ嫌がっていた病院にも、自ずから足を運ぶようになってしまう。 ...

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商法

 とある人には聞いた話。名は伏す。  本来『葬儀場』はお祓いをすべきだと、その人は主張する。  神奈川県西部の○○○という葬儀場はお祓い...

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性悪は誰の仕業?

 僕の周りは、姉さん女房をもらった人も多い。  良妻賢母な素晴らしい女性から、まるで少女のような、ずっと女の子のままで、なにがなんでも女で...

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斎場の霊

 葬儀社に勤めていた薫さんは不思議な体験をされている。  彼女自身は忙しさから仕事を退職したが、  ――あそこ祭壇の花と花の間から、...

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頼りなくて足る

 世間様が、正月気分に浮き足立つある年の暮れ。  もはやタコ部屋に近いところで、出稼ぎしていた。 「十の成功で得た信頼も一の失敗で失うか...

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せっかちな人

 葬儀社に勤めていた薫さんは不思議な体験をされている。 「数珠パァーンなんて当たり前なのよ。あんまりに破裂するもんだから、数珠なかったら太...

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占い師のつくり方

 よく当たる占い師。  電話のみの受付で……  普段は専業主婦をする普通の人で……  財界の大物や政界の要人、セレブなあの人からヤクザ...

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マンションエントランス

 合田さんは夜道、新築のマンションの前を通りがかった。  エントランスの自動ドアのすぐ向こう側に、黒い人影が大の字で張り付いていたという。...

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ミドリマン

 子供のころというのは、不可思議な体験を多くする。  記憶は曲がっているのかもしれない。なにしろ古いうえに、そもそもが頼りない時期だ。でも...

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駅のホームでキャンディキャンディを歌った青年

 ヒロさんがホームのベンチに座り、新聞を読みながら通勤電車を待っているときだった。 「新聞読んでいたら耳に入ってきたんです。とても上手でし...

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夢の中へ

 人が死ぬと、なんにせよ生きているものが動かなくてはならない。 「絶対に土葬で」  法律で禁止されてなお、僕の母の実家付近では頑なにそう...

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好奇心は猫が殺すか?

 もう何年前か忘れた。同級生の女の子が自殺した。飛び降りだった。  中学生の終わりに同じクラスだったことは覚えている。ほとんど登校しない、...

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賃貸高層マンション

 奮発して借りた家賃十万円超えの高層マンション。○○駅から徒歩3分。新宿にだって歩いていける。1Kだけど13階。眺めは抜群。  だがカリカ...

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原発怪談 其ノ四

 原発の夜は静まり返っている。  ほとんどの出入り業者は夕方には引き上げていくから人気がない。  夜霧がかった原子炉はどこか不気味で、無...

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巨頭老人

 歌舞伎町での話だ。 「あずま通りをいってセ×××らへん曲がったとこに駐車場あるでしょ?」  風俗の案内所に勤める大島に酒を奢ると渋々な...

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原発怪談 番外編

 ヤマダさんは僕を原発の世界へ引っ張り込んだ張本人だった。  元自衛官で、それからは一般社会に馴染めず職を転々としているうちに鬱になった王...

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まじめなおとこ

 小倉が六年ほど勤めた会社が、ようやく派遣社員を数名採用することになったという。  数年彼女がおらず出会いの機会もなかった小倉は静かに歓喜...

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原発怪談 其ノ三

 日本の原発は世界最高峰の警備レベルを誇る場所――と、されている。  実際の内情はご想像にお任せするとして、僕がメインで仕事をしていた原発...

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古着屋で一週間アルバイト

 畠山くんは十年ほど前、古着屋で一週間アルバイトをした経験がある。 「店長がロスから直で買い付けてくるんで、セレクションがけっこういい感じ...

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原発怪談 其ノ二

 原発でそういう噂は立たないのかと聞かれると、むしろ宝庫だったりする。  気性の荒いドカチン同士の小競り合いが事務所襲撃→発砲沙汰に発展し...

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やっぱり家が一番

「いや失敗したよ」  浦部さんは年末のことを思い返しながら話した。 「たまにはってことで、横浜のホテルで正月過ごしたんだよ。うちはまだガ...

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原発怪談

 いわゆる原発で出稼ぎをしていたときの話だ。  守秘義務がどうの以前に書けないことは山ほどあるが、どこぞの電波でもあるまいし僕は通信妨害を...

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三面鏡

「『視える』って大変なの。大変だけど不思議な体験なの。何が不思議って、十代の頃にしか見れなかったから」  二つ前の記事に載せた『アイちゃん...

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チューニング

 小学生のころ、放課後に男女数人で誰もいない教室に残ってお喋りするのが楽しかった時期があった。  僕のロクでもない人生で、ほんのひと時、手...

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くろいむし

 アイちゃんは今時の若い女の子。  鮮やかな紅い口紅、太い眉、長めに引いたアイライン。  ゆったりとした白いセーターににタイトな...

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変化か復帰か変某か

 結構な人数で某夢の国へおとずれたとき、あるジェットコースター系アトラクションの順番待ちをしていた。  僕は、それほど絶叫マシンが得意な方...

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Twitterの裏垢

 裏垢とは「裏のアカウント」を指し、オープンにできない情報(愚痴・悪口・オタク趣味)を公開するTwitterのアカウントである。  誰...

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ホールの向こうはナンデスカ?

 穴があれば入りたい。挿れたい。  なぜ、あのときあの穴に挿れ……入らなかったのだろうと思う。違う世界が開けたハズなのに。  僕がま...

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隣の部屋が

一人暮らしの怖い話。霊道が通るアパートで起きた話。

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ふぁむ・ふぁたーる

 元同僚のハルカは、自分の母親と仲が悪い。  べつに継母というわけではない。実の母だ。  存在自体に生理的嫌悪感を覚えるほどで、一般...

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ナベやん。その6

 私の友人でナベやんという男がいる。  彼は自分では認めないが、はたから見ていると、どうにも心霊の類に好かれる性質のようだ。  怖い実体...

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家宝はここ掘れ

 お天道様が、これでもかと照りつけるある真夏。  灰になりそうな身体を引きずり、わざわざ向かった先にロクなことが待ち受けていないのは分...

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ナベやん。その5

 私の友人でナベやんという男がいる。  彼は自分では認めないが、はたから見ていると、どうにも危険な出来事に巻き込まれる星の下に生まれている...

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烏匠

 烏が、鳴いたら……帰れない。大体、お仕事。  実家住まいだったある日、帰宅すると玄関に見なれない虫カゴがあった。  黒タピオカが、たぷ...

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ナベやん。その4

 私の友人でナベやんという男がいる。  付き合いはもう十年以上にもなるが、彼ほど恐怖譚に恵まれている人間を私は知らない。  無論嘘はつい...

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おはようおじいさん

 人と待ち合わせをしていた。  タクシーの待合所とバスの停留所、公園がいっしょくたになったような駅前の広場だ。  まばらに設置されたベン...

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ナベやん。その3

 私の友人でナベやんという男がいる。  彼は自分では認めないが、はたから見ていると、どうにも心霊の類に好かれる性質であり怖い実体験の話題は...

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あやふやなヒト

 いくら奇麗事を並べたところで、普通、奇妙なものに視線を奪われたり、善し悪しはべつにして特別な感情を抱く。  電車に揺られているとき、...

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ナベやん。その2。

 私の友人でナベやんという男がいる。  彼は自分では認めないが、はたから見ていると、どうにも心霊の類に好かれる性質のようだ。  怖い実体...

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ピーピーおじさん

 僕が小学生のころ、「ピーピーおじさん」と呼ばれる地元でちょっとした有名人がいた。  おじさんと言っても、もうおじいさんに近かった。  ...

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