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あれだめだ

 二年前の話。  東方さんが昼過ぎに阿佐ヶ谷駅へ歩いている時。  ふと見上げた高架上に男がいた。 (このクソ暑いのにパーカー?)  東方さんは半そで短パンでも滝汗をかいている。 (つーか...

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金曜の夜の電車

 丸山さんが金曜の夜、混雑した電車に揺られているときだった。新宿発高尾行きだ。  疲労しきっていた丸山さんはドアにもたれかかっていた。  翌日も仕事だった。帰宅したら早めに寝なくてはならない。 ...

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赤い旗

 大井さんは中学生の頃電車通学だった。  学校から駅までの帰り道、学校に決められた道順はあるのだが、彼女は一緒に帰る友人がいない時などは気分次第で道を決めていた。  その日は住宅街を通り抜けていた...

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宝くじ

 聡子さんは出版社に勤めておられるが、ご自身が言うには「ごく普通のOL」だという。 「普通の幸せが欲しい。どうしてこんな仕事選んだのかしら。適当な会社の事務に入って、婚活に精をだすべきだったのに」 ...

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環八

 深夜、小腹が空いた金田さんが環状八号線に沿った牛丼屋に行こうと歩いているときだった。  環八は丑三つ時を超えたというのに車が激しく行きかっている。 (ビニール袋?)  道の真ん中に白いなにかが...

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墓参り

 舟阪さんは墓参りに行く際、故人の趣味であったフィギュアをお供えしようとカバンに入れた。  長距離の電車ゆえ暇つぶしにと怪談本も入れた。  移動中ずっと、カバンの内側から暴れるような感触があったと...

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寂しがりや

 村枝さんは今年会社勤め十四年の敏腕営業マンだ。  同僚が呑んだ帰りに交通事故にあったのが二年前。 「即死だった。同期にしたら珍しくいい奴だった」  村枝さんは言葉数少なく語ってくれた。 「忙...

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夜の蝶々

「ほら昔ってエーブイ見るのにも大変だったろう? 今じゃネットでポチーでガバーの、いい時代なったよなぁ」  矢崎は以前とある街の裏ビデオショップ店員だった。  いい時代なったよなぁと繰り返し、手元の...

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ぶぅん、ぶぅうん

 鈴沼がかつて住んでいたアパートの裏手には雑木林があった。 「大学が東京の郊外にあったから、近場でいいやってそこにしたんです。それにすごく安かったから仕送りを他のことに使えるなって」  引越し当日...

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プロ意識

「よくインターネットの怪談で見かける御祓い師? 寺の住職とか? すげー呪いの解除法に詳しいやつっているじゃん。あんなの嘘だよな。すげー禍々しい霊とかおっかねぇ祟りがあると『これは私にも御祓いできない!...

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404 not found

 畠山さんが先月、体験されたこと。  深夜、インターネットをしようとブラウザを立ち上げる。  Yahoo!を開く。  しかし読み込み中なのか、画面は真っ白なままだ。  仕方が無い。  そ...

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歯磨き中

 阿倍さんが就寝前、半ば目を閉じながら鏡の前で歯を磨いていた。  ベッドに身体をうずめていたのだが、歯磨きをするために無理やり起きたのだ。  洗面所にだけ電気をつけた状態だ。終ればすぐ夢の中。 ...

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花火大会

「どぉおー……んって綺麗に、あがっていったんです」  東島君は高校生の頃、花火大会に友人グループ全員で観にいった。  その中には彼がほのかに好意を寄せる女の子がいたという。  花火があがるたび、...

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数年前のRSS

 四、五年前。  岩村さんがお気に入りブログを巡回していると、RSS(他ブログの更新記事タイトルを指す。当ブログでいえばトップ写真下エリア)での一文が目に付いた。  きょうからしんだやつらみん...

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 三輪さんはその夏、どうしようもなく好きな人がいた。  海で知り合った十歳年上のバツイチの男性だった。前妻は病気で亡くなったという話だった。  友人たちは苦い顔をしていたが気持ちは止めようがなかっ...

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F県のトンネルで体験した話

 現在三十一歳である、某メーカー経理に勤める綾さんからお聞きした話。  当時付き合っていた二歳年上の彼と、地元で有名な心霊スポットに行こうという話になったんです。  彼は同じサークルの先輩...

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出張先の辺鄙な町で

 飲み仲間である寺本から聞いた話。  彼が出張で訪れた土地は、よくあることではあるそうだが、ど田舎だった。駅周辺には何もない。東京では駅前に交番のごとくある富士そばも松屋もなかった。  定食屋...

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病い重い想い

 桐絵さんはかつて女子高生だった頃、人生で最高の片思いをしたという。  文字通り、胸が張り裂けそうな思いだった。  何かに取り憑かれたかのように夜な夜な彼の名前を呟いた。  顔が見れなければ涙が...

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ユニットバスの灯り

「やべ、便所の電気つけっぱじゃん」  福谷さんが一人暮らしの六畳1Kのドアを開くと、暗い室内からユニットバスの灯りが漏れていた。 「なんだよ、もう、いくらかかんだよ」  その月は遊びすぎたせいで...

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クラッシャー上司

 柿沼さんが以前勤めていた工場での上司は人格破綻者だった。  怒鳴り、長々と嫌味を言い、育ちを否定する。  教えてもいない仕事を命令し、できないと大勢の前で罵った。  褒めることは一切しない。休...

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プール授業にて

 武内さんは中学のプール授業のとき、仲間内で深く潜る遊びに熱中していた。  そして水中にいかに長くいられるか競争をしていたそうだ。  その夏一番暑い日、彼は限界まで潜っていようと決めた。  櫛の...

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職安通りのビルから渋谷のネイルサロン

 アンナは昼は渋谷のネイルサロン、夜は新宿歌舞伎町のキャバクラで働いている。  どうしてそんなに働くの? と私が尋ねると、 「そんなにエネルギー使ってないからかなぁ、あたしはだけど。キャバなんて座...

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ソロキャンプ

「いいもんだよ、星空眺めながらウィスキーなんてやってると、最高だ」  雄平さんは去年までソロキャンプにはまっていた。 「また行きたいんだけどね、今はほら、嫁がこれだから」  おなかをぽっこりとさ...

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アパート裏手のゴミ捨て場

 桧垣さんのアパートはゴミ捨て場の真裏にあった。  一階に住む彼女は常に悪臭とカラスの鳴き声に悩まされている。  夏場となると生ゴミの匂いが部屋まで漂ってくるので窓は開けられない。  近所には学...

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なんか最近よくある感じ

「秋田のなかでもとびきり辺鄙なところ」が高川さんの出身地である。 「いつからわかんないんだけど、猫の子殺しをすっごくよく見かけるようになったの。道を歩いてて『あ、にゃんこだー』って思うと、くっちゃく...

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The Sinister Stranger

 杉浦さんは中小企業で事務をされている。  営業マンたちが出払うと職場に一人きりになることも稀ではなかった。  予定もない来客が訪れたのは月末の昼間だった。 「なんだか会社のフロアの受付から、声...

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安マッサージ屋

「肩こりが尋常じゃなかったから、珍しく行ったのよマッサージ屋さんに」  荒木さんは一人でマッサージ屋に行ったことがなかった。  どうせサービスなんてさほど違いはないだろうとインターネットで近場のマ...

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電車の吊革に……

 今浪さんが電車のドアに寄りかかり読書に熱中していると、目の端に揺れるものがあった。  ふと顔をあげると異様に揺れる吊革が目に入る。  吊り輪のへりに、小さいピエロが座っていた。  ブランコのよ...

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飲み屋で聞いたスマートフォンのカメラの話

「勝手に起動する時ない?」 「あぁ、はい、ありますね」 「そういう時、絶対に撮っちゃ駄目よ。変なの写るから」 「はぁ」 「起動する時、だいたいはそこが自殺のあったポイントなのよ」  駅のホー...

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南武線沿い某所のいわくつき物件

 田部井さんが学生の頃、同棲していた彼女に浮気が原因で家を追い出され、友人宅に泊まり歩いていた時期があったという。  一ヶ月もすると友人たちからも疎ましがられ、いよいよ自分の部屋を探さなければならな...

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