お見舞い

【ハンドルネーム】
 もちもち

【体験談】
 怖い話かどうか分からないのですが、体験したことを話そうと思います。

 私が子供のころの話です。
 おそらく幼稚園児の頃だと思います。母に連れられてある日病院に老人のお見舞いに行きました。
 大部屋に入院しているその老人をお見舞いに行ったのですが、病院独特の匂い、それに老人の匂い(これは私の気のせいかもしれません)にあてられて、私は帰りたいとぐずったんだと思います。
 そんな私を置いて、母は部屋を出ていきました。ジュースかお菓子か、なんでかははっきりと覚えていませんが、私は部屋に置いて行かれました。
 そんな時、老人に呼ばれました。面白いものを見せてあげる、だったか言われたんだと思います。私は今までお見舞いに来たにも関わらず遠巻きにしていた老人に近寄りました。
 老人は今まで組んでいた両手を開き、手のひらを私に見せてきました。
 手のひらの上にあったのは、脚のちぎれひくひくと痙攣するカエルでした。ちぎれた脚の付け根から、血が出ていました。しわしわの手のひらの上にあるアマガエル。
 目を背けると怒られ、怖くてもどうしようもなかった私はずっとそれを見ていました。やがて帰ってきた母も、それをとがめる事もせず私に凝視するように言いました。
 まわりにいた人間全員が、カエルを見る私を見ていました。子供ながらに異様な雰囲気を感じ取り怖くて怖くて、どうしようもなくなった私の手を引いて母は無言で帰りました。

 母は子供の教育に厳しい人で、そういったものを子供に見せるのを嫌がる人でした。私が幼稚園児の頃、誰かの見舞いに連れて行ったことはないと母は言いました。(日記をつけている人なので、これは確かです)
 幼児の事だったので、記憶が何かとまざっているのかもしれません。そう言われると否定はできないです。
 それでも、私はいまだに病院が苦手です。

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