フィギュアにお願い

【ハンドルネーム】
 由宇

【体験談】
 以前勤めていたバーであった話です。
 そのバーは少し普通のバーとは変わっておりまして、昭和のアニメや特撮が好きな人間の為に古いフィギュアが所狭しと並べられていました。
 どうもそう言ったものは何かを呼びやすいらしく、棚に固定しているフィギュアが揺れも何もないのにいきなり落ちてきたり、音の出るフィギュアが誰も触っていないのに鳴り出したり、と小さい勘違いで済むような怪異が度々ありました。
 何度も続くのですが、落ちたフィギュアが壊れること以外に害はなく、見える、というお客さんも「悪意は感じない。子どもが遊んでいるだけ」とのことで放置しておりましたが、ある日、少しばかり高価なフィギュアが落下、酷い破損の仕方をしてしまってマスターが凹む事態に。
 流石に壊されるのは勘弁とオレンジジュースをカウンターに置いて、
「遊ぶのは良いけど壊さないでくれ」
 と気休めではありますがスタッフ全員でお願いすることになりました。
 それ以降、私が辞めた後も怪異は変わらず続いているようですが、落下はするものの壊れる被害はなくなったそうです。

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