不思議な話一覧

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夏休みの宿題

 改めるまでもないが、以下の話は聞いた話を再構築したものである。 「存在しなかったやつと一緒に遊んだことある?」  私はある、と塩津さんは言う。  中学二年生の夏休み、場所は北陸の海沿い。当...

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下水口

 神田川沿いの歩道を歩いていたら下水口が目に入った。  80センチほどの直径の穴から、動物が顔を出しているように見えた。 (タヌキ?)  樽井さんは覗きこんだ。  タヌキではなかった。  瓜...

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冬の季節

 冬が怖いと安子さんは言う。  中学校の下校時に迷子になったから、という理由だった。 「雪が降った日なの。十年に一度ってレベルの大雪。登校するときは『ちょっと積もってるなぁ』ってくらいだったの...

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せっかちな人

 葬儀社に勤めていた薫さんは不思議な体験をされている。 「数珠パァーンなんて当たり前なのよ。あんまりに破裂するもんだから、数珠なかったら太っちょのあたしがパァーンされるんじゃないかと思ってビクビクも...

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首吊り

 松崎さんが実家にいた頃。  夏の早朝、庭先の柿の木で、猿が首を吊っていたという。

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効くんだ!

 街灯の少ない道だった。  広瀬さんが深夜腹を空かせてコンビニに行った帰り道。  場所は新潟県のなかでもとびきり田舎なところ。人通りどころか住宅も遠い。     一瞬視界が真っ白になった。 ...

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男と爬虫類 二題

 倉本という男が酒を飲んだ帰り道のことです。  昭和の宮城での出来事です。  ふらりふらりと歩いていると雪が降ってまいりました。  しんと静まったなか、倉本は酔った頭でしきりに考えます。  ―...

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首無し

 五日市町(現あきる野市)出身の人から聞いた話。  夜半になると、彼の実家前の舗装されていない道路を、T字形の人間が、端から端まで走る。  1989年から1992年までの三年間、深夜まで起...

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決まり事

 愛媛の南予地方にある進学塾では深夜の作業中、西側の階段を昇る際には『手を鳴らしながら歩くこと』という決まりがある。  なにかを見かけたとしても口外を禁止する誓約書を、新人講師は採用時に書かされ...

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クリスマス 三題

 白山さんは毎年クリスマスが近づくと、右手の薬指に切り傷ができるといいます。  そうなるのは四年前、不倫相手と別れてからだそうです。  奥様は何も聞いてきませんが、娘さんが「なぜ」「なぜ」と聞いて...

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縊死

 ロフトに登る階段に縄をかけ、古家具屋で購入したチェアを台に首を吊る夢を、松元さんは秋から冬にかけて二十回は見ている。  夢はチェアを購入した日から見ているという。

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インザ新潟

 昭和六十一年のある日の午前、新潟は巻町の空が薄暗くなったのです。小学校の前でした。生徒と教師らが何事かと外へ出て見ると、幾千幾万という小さな小さな丸石が、宙にて擦れあっていたのです。それは五月雨の如...

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奇奇怪怪

 中田さんはその時暇つぶしにグルメ情報誌を読むともなく眺めていた。  ぺらぺらとめくる。  情報が脳に届くまで、理解できるまで三十秒ほどかかった。  ありえないページ。  64ページ。  腹...

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餌付け?

 朝倉さんは以前は「視えた」が、結婚を経てからその能力が薄れてたという。  ピーク時は霊の姿をはっきり視認できたが、今ではガラス戸の向こうに立つ誰かのような、存在をぼんやりとした感じられないそうだ。...

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小学校の不思議

 舛添君が通っていた小学校には、大人が誰も説明してくれない不思議があった。  中庭の隅に、ぽつんと生徒机が置かれてある。  雨風に晒され続けているハズなのに、机が汚れているところを舛添君は見たこと...

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歌舞伎町桜通り

 横山は、新宿は歌舞伎町の桜通りにて、ビル屋上の欄干に座る鬼を見たことがあるという。  真っ赤な顔にツノの生えた鬼がこちらを指さして笑っているのが見えたそうだ。

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寂しがりや

 村枝さんは今年会社勤め十四年の敏腕営業マンだ。  同僚が呑んだ帰りに交通事故にあったのが二年前。 「即死だった。同期にしたら珍しくいい奴だった」  村枝さんは言葉数少なく語ってくれた。 「忙...

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 三輪さんはその夏、どうしようもなく好きな人がいた。  海で知り合った十歳年上のバツイチの男性だった。前妻は病気で亡くなったという話だった。  友人たちは苦い顔をしていたが気持ちは止めようがなかっ...

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プール授業にて

 武内さんは中学のプール授業のとき、仲間内で深く潜る遊びに熱中していた。  そして水中にいかに長くいられるか競争をしていたそうだ。  その夏一番暑い日、彼は限界まで潜っていようと決めた。  櫛の...

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コールセンターにかかってきた不思議な電話

 木曽さんは宅配レストラン専門のコールセンターで長年お仕事をされている。  同年代が多いためか、三十人ほどの社内は和気藹々とした、一種のサークルのような和やかな雰囲気だったという。  だが仕事とは...

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ただ不思議な話

 浜田は180センチ、85キロの巨漢である。  どちらかといえば象に似ている男である。  先日彼の結婚報告があり、数年ぶりに新宿で顔をあわせた。  怖い話はないかともちかけると「基本的にそういう...

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馬鹿犬

「不思議な体験、今までに一つだけありました」  大田さんは夜勤のお仕事をされている。  午前中は通常の勤め人と違い、彼にとってはまだ深夜だ。  安眠を妨げる存在がいた。  隣の一軒家が飼ってい...

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ずっとずっと愛してる

 その年の秋は暖かだった。  ほがらかな陽気の日が続く、まるで時間さえもゆっくり過ぎていくような秋だった。  週末になれば公園を散歩してチョコを齧りあった。写真を撮って笑いあった。  弥太郎さん...

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小さいオッサン 二題

 安田さんが歌舞伎町の風林会館前を歩いている明け方。  酔っ払って寝転んでいるホストを熱心に見つめる、サラリーマンが立っていた。  安田さんもサラリーマンの視線の先を見ると、ホストの肩には顔を真っ...

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小さいおじさん

 赤月さんがテレビを見ている時だった。  ふっと鼻先でお線香の匂いが漂った。  振り向くと、ジュース缶ほどの大きさの中年男性が、コタツの上で胡坐をかいていた。 「しんじゃろか、な」  赤月さん...

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