『別府』による怖い話一覧

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『高い高い』の変形型

 赤川が中央線のとある駅で友人を待っている日曜日だった。  三十路だというのに、友人と合流した後は、馬券を共に買いに行く。  嫁どころか彼女すらいない。  借金はないが、蓄えもない。  仕事も...

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ばかが

 歌代さんは女子大を卒業したばかりだ。就職活動がうまくいかず、今は公務員の勉強をしている。彼氏は二年前別れてからできない。浮いた話は出るのだが、肝心なところでうまくいかない。  歌代さんは子供の...

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サンマリンジュース

 村山は七年前、チラシのポスティングのバイトをやっていた。  アルバイトの回転が速い職場だったので、一年働いた村山はベテランと呼ばれる存在になっていたという。 「だから遠くまで行かされんだ。会社は...

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てっきり一流企業の旦那さんがいて、お洒落な一軒家だと……

 熊岡さんは新興住宅街に夫と共に引っ越した時の話だ。  近隣に友達もおらず暇を持て余していた熊岡さんは連日喫茶店に入り浸り、読書に耽っていた。  生活も落ち着いてくると次第に喫茶店の常連とも顔見知...

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喫茶店で聞いた話

 西荻窪の喫茶店。  私の後ろにはスーパーの買い物袋を座席に置く、二人の主婦。  盗み聞きするわけではなく、聞こえてきた。 「わかってもらえないのよね、あんなにご利益あるっていうのに」 「うち...

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頭がお花畑

 それは『何気なさを装った』とこちらにも伝わってしまうような、不自然なまでのさりげなさだった。 「前のカレと別れることになった出来事って言ったっけ」  三年前、智子さんにはテンプレートのような...

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オーラ

 有村さんは人間のオーラが視える。  美しいオーラは千人に一人程度で、ほとんどが煙草の煙を思わせる濁ったホワイトだという。  そして有村さんは新宿駅を二度と利用したくないため、地元群馬から出ない。...

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純哉と真奈美

 石崎は二十四の時、パチンコ店で純哉と知り合ったという。 「同い年だったし、なんか空気も似てたんだよね」  開店前の列に並んでいるうちに自然と仲良くなっていった。  石崎は当時不真面目なフリータ...

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ソーシャル・ネットワーキング・サービス

 後藤さんは一時、Twitterにはまっていたという。  仕事上の知り合いや友達の友達に留まらず、趣味の食べ歩きや古着を軸にフォロワーはどんどん増えていったという。  見ず知らずの人の愚痴に同情し...

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別に何もしてないんですけど

 後輩の彼女から半年前ほどに聞いた話。  彼女は一ヶ月前より繰り返し同じ夢を見ているそうだ。  夢の舞台は彼女のアパートの入り口。  そこに木箱を抱えた老婆らしき者が立っているという。  ...

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猫潰し

 仁田さんは小学校低学年時、子猫を殺すしかなかったという。  父親より一匹につき五百円の小遣いが払われたせいだ。  ガレージに置いてあるハンマーを使用するよう言われ、仁田さんは推奨されるがまま子猫...

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ボスママから食い物にされた結果

 重野さんは当時四歳の娘さんがいた。  今から三年ほど前だが、旦那さんの転勤により都内某区に引っ越すことになったそうだ。  実家から離れた場所で、友人も近くにいない。  心細い重野さんを迎え入れ...

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首吊り

 松崎さんが実家にいた頃。  夏の早朝、庭先の柿の木で、猿が首を吊っていたという。

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電車内の液晶モニタ

 片山は三十一歳。昭和61年生まれ。  先月まで地元の群馬で仕事をしていた。 「満員電車はいまだ慣れないけど、こっちは電車の中にテレビがあるんだな」  そう言われてはたと気づいた、  確かにい...

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彼氏からライン

 直実さんが最近始めた仕事の職場は彼氏が住むアパートの近くだった。  そのことを告げると彼は「俺仕事だからいないけど、昼休みとか好きな時間に使いなよ」と合鍵を渡してくれたという。 だがその頃には...

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効くんだ!

 街灯の少ない道だった。  広瀬さんが深夜腹を空かせてコンビニに行った帰り道。  場所は新潟県のなかでもとびきり田舎なところ。人通りどころか住宅も遠い。     一瞬視界が真っ白になった。 ...

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手形

 高校時代、万引きが日課だった酒井さんは当時手にした窃盗品(彼曰く戦果)の大半を封も空けず実家の屋根裏に仕舞いこんでいたという。漫画やアクセサリーの類だったが到底使いきれないほどの数があったという。 ...

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一昔前のインターネット

 2000年頃、インターネット黎明期の話。  山賀君は実家に導入されたばかりのパソコンに熱中していた。  23時を超えるとテレホーダイという定額制になるため、寝不足になることも厭わず山賀君は夜な夜...

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黒い霧

 一ヶ月ほど前から大和さんは視界の隅に黒い霧を認めている。  それはただ漂い、煙のように消えていく。  大和さんが日雇いすら首になり、大好きなパチンコの代わりにゲームセンターのメダルコーナーで...

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独り言

 山田さんの母親は、三十歳の時に『何かに』憑かれたという。  以来、母親は東北に実家の倉に幽閉されている。山田さんは幼少期から会っていない。  そんなことを『山田』と名乗る男は、上野の風俗店の...

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カナ ブンブン

 今年の夏はカナブンが多いと聞く。  大成さんがある日家に帰ると、玄関ドアの隙間にびっしり、カナブンがたかっていた。  思わずその場で飛び跳ねた。 (蜂蜜でも塗られたのか?)  気色の悪い光景...

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被害者意識

「私一個しか盗んでないんですよ?」  今年三十三歳の岩崎さんは言う。大学卒業後アパレルや受付などを経て現在は主婦業。 「それなのにあそこの奥さん、やれアレもないコレもないなんて……金額したら数千円...

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ブログ 二題

 愛恵さんが運営するブログはアクセスが少ない。日に一桁のアクセスも珍しくない。  ただそんな少ない読者でも、一人だけ毎度コメントしてくれる年下と思われる男性がいる。 <ついてないですねぇ。次はラッ...

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駅のトイレにて

 薮田さんはシステム会社の営業。四十一歳。離婚したが後妻の息子がいる。  飲み会の解散後、信濃町駅の便所での出来事。  小便をしている最中、背後、個室の壁に寄りかかり体育座りした男が床をゴッ、...

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アヒルのきゅうきゅう鳴るオモチャ

 近藤さんが深夜、シャワーを浴びている時だった。  高い音が耳をつく。  ――キュウキュウキュウキュウ。  なんだ?   近藤さんは慌ててシャンプーを洗い流し、見回す。  辺りには何も異変が...

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Paul Smithの定価3万するシャツだけど

 蒸し風呂のような暑い日。  ベランダに干したシャツが揺れている。  読書から顔を上げた大輔さんが窓を見つめていると、シャツの袖がふらふらと揺れている。 (ハンガーごと風で吹き飛ばされないといい...

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誰にも知られたくない

 不二井さんは三十代後半、独身。  仕事からアパートに帰宅すると、全裸になり寝転ぶ癖がある。  床には赤ん坊の写真が敷き詰められている。全て女児である。  主に産婦人科のサイトから新生児の写...

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男と爬虫類 二題

 倉本という男が酒を飲んだ帰り道のことです。  昭和の宮城での出来事です。  ふらりふらりと歩いていると雪が降ってまいりました。  しんと静まったなか、倉本は酔った頭でしきりに考えます。  ―...

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ほそながい

 向山さんが帰路についているとき、自宅まであと五分というところの路上で――鶴のような首筋をした女が立っていた。 (こんなところで人待ち?)  ちらりと視線を投げかけ、途端に引っ込めた。  ヘチマ...

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色情霊

 多枝子さんは胸の形がよくわかる、Vネックのストライプ柄シャツを着こなしていた。化粧の匂いが鼻の悪い私にも届いた。  メニューを眺めている時、ベージュのブラジャーがちらりと覗いた。 「金縛りがずい...

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