厭な話一覧

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高架下のわんこ

 麻由子さんが杉並区に住んでいた頃の話。今から三、四年ほど前だ。    夏に向け体重を減らそうとしていた麻由子さんは、その日も最寄り駅より一つ前の高円寺駅で降りた。  最寄の阿佐ヶ谷駅から歩けば...

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拾った4ギガUSBメモリー

「その日は四軒くらいハシゴ酒したんだよ。だからどの店で拾ったのか、覚えてないんだよなぁ……」  喫煙者の方にはわかると思うが、飲み会の場で他人のライターを持って帰るタイプがいる。  本人には悪気は...

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最後の電話

「最初は誰だか判らなくて……」  六年前に別れた彼からの、電話だった。  金田さんは結婚して三年になる。 「直接は言ってなかったけど、共通の知り合いから伝わってるはずなのよ、もちろん」  ――...

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よいお年を

 大晦日。  北野さんは今年届いた年賀状のせいで、落ち着かない一年を過ごしていた。  結果として彼女は悲惨な目にはあわずに済んだ。  しかし何をするにも注意深く行動した一年だったという。 ...

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最低の飯

「怖い話はないけど、今まで口にした最低の飯の話でいいか?」  小川は今まで口にした最低最悪のものを簡単に説明した。  それは駅前の喫煙所に生えていたシロツメグサを、スーパーでタダで貰ってきた牛脂八...

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長風呂

「東京のなにが嫌って、お風呂が狭いとこよ。七万円もかかるマンションなのにユニットバスなのよ。地元だったら3LKDにだって住めるのに」  杉浦さんは大のお風呂好きだ。 「デトックスっていうか、体内の...

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あなたは強い子立派な子

 ありがちな話ではあるが辻クンが中学三年生の頃、クラスでイジメがあった。 ターゲットは朝比奈麗子(無論、仮名)という可憐な名前を持つが、地味でどちらかといえば不潔な女子だったという。  クラスの小...

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深夜の満員電車が趣味

 田邊さんは仕事一筋の中年男性。スーツがよく似合う。  酒も煙草もやらない。  唯一の趣味は、深夜の満員電車だ。人が多ければ多いほど格好のシチュエーションだ。  痴漢をする訳ではない。  人を...

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悲しい話

 高宮さんは幼少時、鬼に攫われたことがあるという。 「はい?」  私が笑って聞き返すと、彼女は黙ってシャツをめくり、臍を見せた。  臍には親指が三本入りそうな空洞があった。周りの肉は火傷跡のよう...

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屁こき男

 福地の地元では「屁こき男」と呼ばれる中年男性がいた。  その男はの身なりは汚く、一見して貧しいとわかるような格好だった。  もちろん周囲の住民は姿を見れば近づかないが、男はコンビニで列に並んでい...

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ゴミ捨て場にて

 中野の焼き鳥屋で知り合った、浜山さんから聞いた話だ。  浜山さんは現在単身赴任で東京に住んでいるそうだ。 「一人暮らしは大変だろ、洗濯もしなきゃ溜まってくし、誰かと話したかったらこうやって外に出...

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しょうゆ顔、ソース顔……

 茶沢さんが子供の頃の話だ  まだしょうゆ顔、ソース顔という言葉が死語でなかった時代。  ちなみにしょうゆ顔とは、あっさりとした顔だちのこと。  ソース顔とは彫りが深く、目鼻立ちがはっきりとした...

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ブックオフで大量にこち亀を買った

 下平さんがインフルエンザに罹患した時の話。  病院の帰りに暇つぶしにとブックオフで「こち亀」を大量購入したそうだ。  薬を飲み、寝転がりながら漫画を開いた。  ――そして一冊一冊、全てを確認し...

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風呂掃除

 五十嵐さんは大学生の頃、大学の近くで一人暮らしをしていた。  無論たまり場になった。  同じ学科の友人、サークルメンバー、はては友達の友達まで……。  が、元来おおざっぱな人間なのでさほど気に...

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ベビーカー怖い怖い怖い

 石見さんはベビーカーが苦手だった。  特に電車だ。うっかり乗り合わせてしまおうものなら、大体が嫌な思いをするという。 「平気で足にぶつけてくるし、いくらスペースをとろうと遠慮がない。それが当然だ...

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電話

 その日の井町は疲れていたそうだ。  昼から続いた打ち合わせ、会社に戻ってからの事務処理。飯の時間もないほどの忙しさで、会社を出る頃にはすでに十時を回っていた。  駅前のガストでチキン南蛮を食べよ...

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タロット占い

 佐伯さんが先月の週末、女友達と飲みに行った時のことだった。  一軒目で軽くご飯を食べ、二軒目でワインを飲んだ。まだ時間が早かったこともあり、もう一軒行こうと二人は決めたという。  新宿三丁目から...

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なう。

 真鍋君はツイッターに一時期はまっていた。  語尾に『なう』をつけることが流行っていた時期だからだいぶ前のことだそうだ。    ある日、リアルでは会ったことのない友人が呟いていた。 『目があっ...

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犬の散歩

 安達さんは仕事の帰り、自宅へと歩いていると大嫌いなものに出くわした。  電信柱の脇にじっと座る、けむくじゃらの犬。  そしてそれをぼんやり眺めるオバサンだ。 「嫌いなんですよ、犬。飼い主は可愛...

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夜のジョギング

 鎌池は家電量販店の店員。仕事が終わった後のジョギングが趣味だという。  三十路から始まる腹部のたるみは見られない。  販売員らしくハキハキとジョギングと、それにまつわる変わった趣味を聞かせてくれ...

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異物混入

 池山さんは一人暮らし歴二十年の営業マン。今年で四十三になるが、まだ結婚は考えてない。 「なんか面倒くさくて、ははっ」  だから毎度食事はもっぱら外食だという。ファーストフードに入る年齢でもないの...

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鰻弁当

 二年前。夏。  釜田とはポスティングのバイトで一緒になった。  素寒貧だった私と釜田は、東新宿の事務所近くの、異常な安さを誇るスーパーで弁当を買っていた。  その日も、私は六十円のオニギリを二...

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偶然

「その子は国分寺から乗ってきました」  村田は営業先の立川から新宿に戻るため、中央線に乗っていた。 「最近よく見かけますよね、旅行に持っていくキャリーケースひきながら電車乗る子って。あぁ嫌だなぁっ...

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