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原発怪談

 いわゆる原発で出稼ぎをしていたときの話だ。  守秘義務がどうの以前に書けないことは山ほどあるが、どこぞの電波でもあるまいし僕は通信妨害を受けているわけではない。ギフハブとやらに監視もされていない。...

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チューニング

 小学生のころ、放課後に男女数人で誰もいない教室に残ってお喋りするのが楽しかった時期があった。  僕のロクでもない人生で、ほんのひと時、手放しで幸せだったと言える時期かもしれない。  昨日見たテレ...

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変化か復帰か変某か

 結構な人数で某夢の国へおとずれたとき、あるジェットコースター系アトラクションの順番待ちをしていた。  僕は、それほど絶叫マシンが得意な方ではない。ゴメン。大嫌いデス。  それでも、どうしても乗れ...

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ホールの向こうはナンデスカ?

「知らない人についていってはダメ」  それだけ言い残して、母は一緒にきた公園から突然どこかへ消えた。  仕方なく一人砂場で遊んでいると、声をかけられた。  同い年か少し年上に見えた。男の子だった...

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家宝はここ掘れ

<全部カタついた。あのときは迷惑おかけしました>  連絡をよこしたのは、まだ今より法律がかなり甘かった時代に闇金に手を出して漫画のような状態に陥ったモギという男。  さる月の最低返済額だけ立て...

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おはようオジイさん

 人と待ち合わせをしていた。  タクシーの待合所とバスの停留所、公園がいっしょくたになったような駅前の広場だ。  まばらに設置されたベンチの一つに腰かけ、ぼんやりとして―― 「おはよう」 ...

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あやふやなヒト

 交差点に差しかかる。  赤信号が目に入った。だから、止まった。  小学生――  高学年ぐらいの男の子に見えた。向こうから信号を無視して小走りに横断歩道を渡ろうとしている。  車が走っている。...

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ピーピーおじさん

 小学生のころ、「ピーピーおじさん」と呼ばれる地元でちょっとした有名人がいた。  おじさんと言っても、もうおじいさんに近い。正体は学童擁護員で、いわゆる緑のおばさんの男バージョン。"緑のおじさん"だ...

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袋はイロイロ大事で謎

「みんな信じてくれないけど、私おじいちゃんに抱っこされた記憶あるんですよ」  そう話してくれたのは、同僚で主婦パートのシミズさんだった。自分が生まれる以前に既に他界していた祖父に思い出があるとい...

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ダウジング

 実家近くの急な坂道を上がってすぐにあったそいつは、「幽霊屋敷」と呼ばれていた。  固く閉ざされた観音開きの大きな扉、敷地内を隠し持つような高い壁、銛状に先の尖った囲いとそれらに絡みつくツタ……...

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スーパージャンプ

 小学生のころ、集合住宅の屋上から隣棟の屋上に跳び移るという遊びが流行ったことがある。 「スーパージャンプ」  今にして思えば、一歩間違えば死んでしまう危険行為をこう呼び、飽きもせず毎日のように行...

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誰がために塩は煤ける

 葬式に出なければいけなくなって、少し頭を悩ませていた。  実家住まいのときは、人の葬式から帰ってくると留守番の人間に玄関で塩をまかせてから家の中へ上がるのが我が家のルールだった。凶事を避ける一種の...

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欲張りな結果

 夜寝る前、部屋にコップ一杯の水を置いておく。  朝起きたときにコップの水が減っていれば、その部屋にはいい霊がいる。  逆にコップの水が増えて溢れていたら、悪い霊がいる。  こんな話を知人の...

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秘匿の心得

 まだ様子がおかしくて心配してもらえた歳のころ。  以前に発症した盲腸が再発しそうだというので騒がれていたら、母の実家に帰省したときに祖母が近くにある「不思議な石」に再発するかどうか聞いてやると言い...

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あちら様はどちら様

 平日の昼時も過ぎたころ、牛丼屋でお一人様をしていた。  心なしチラホラいる周りの客が、同じ方向を気にしているように思える。気になって注目を集める先を探ると――  一人の客だ。女性に見えた。  ...

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お供養催促

 運転免許を取り立てのころ、練習がてら母と祖母を乗せてドライブしていた。 「伊勢街道に行こう」  母の提案を受けてよく知らない道を走った帰り、「長野トンネル」に差しかかる。  トンネルの入り口に...

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おかしな家

「某さんとこお坊さんきます?」  そう聞いてきたのはコウタだった。 「僕の近所、昔からお坊さんが周ってくるんですよ。うちの近くだけかなあと思って」  托鉢にでもきてるんじゃないの? 言ったがコウ...

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丸投げ

 スーツ姿で帰ってきたある日。ポケットの中のものを整理していた。  賞味期限の切れたタバコ、焼けたくしゃくしゃのレシート、期限切れの割引券に付箋紙に似たガムの捨て紙、書けないボールペン、謎の外国紙幣...

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お呼びか払いか

 人の会員カードを借りて、漫画喫茶でヒマを潰していた。  トイレに立ち、用を足していると電話のコール音が店内に鳴り響いている。自分の個室からだった。 ——もしもし?  砂嵐のような音だけを立てて...

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釣った釣られた

 そのときは近所の川で釣りもどきをしていた。  べつに釣れても釣れなくてもいい。  しばらくして、おそらくはカップルが二人してそばに腰を降ろした。座れる場所はいくらでもあるだろうに...... ...

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カウントダウン

 夜、地元のトンネルに差しかかった時のこと。  バイクのライトだけが頼りの暗闇を走っていて、ガヤが追いかけてきていた。 「サーン!」黄色い声。若い――中高生の女の子だと思った。 「ニィー!」ああ...

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ワンチャン転生

 突然、兄がまた犬を連れて帰ってきた。  今度のは生後間もないやつだった。 「アーコ!」  母が言った。  犬が振り返りこちらを見た。反応を示すのは、以前に兄が突然に養犬所から連れ帰ってきて最...

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