小さいおじさん

 赤月さんがテレビを見ている時だった。
 ふっと鼻先でお線香の匂いが漂った。
 振り向くと、ジュース缶ほどの大きさの中年男性が、コタツの上で胡坐をかいていた。
「しんじゃろか、な」
 赤月さんが固まっていると小指の先くらいの掌で、おじさんは肩を叩いた。
「そろそろええやん、な」
 手元にあった蜜柑を掴むと、赤月さんは思い切り投げつけてやったという。
 蜜柑はおじさんに当たり、赤月さん曰く「パチンコ花の慶次の真田幸村リーチのように」うああああぁ、と叫びながら吹っ飛んでいったそうだ。
 部屋中探したが、おじさんの痕跡は見つからなかったという。

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別府

管理人です。ビックリしたときのリアクションは子供みたいです。