ベッドと壁との隙間

 村橋さんが自室のベットで寝転びながら、当サイト「人から聞いた怖い話」を閲覧していたときの話だ。
 ゴロゴロと寝返りをうっていると、ベッドと壁との隙間の方向からいきなり髪を引っ張られた。
(――え?)
 グイ、グイ、グイ……。
 まるで隙間に引きずりこむかのような力強さだった。
 皮膚ごと引っ張られる痛みが頭を走る。
 混乱したまま村橋さんが視線を力の方向に向けると、ベッドと壁の隙間から目があった。
 無毛症、の人を彷彿したという。
 真っ白でのっぺりとした裸の男性が、髪をがっしりと握っていた。
「とりあえず覚えているのは、跳ね起きた瞬間に頭を打ちつけた痛み。…… あとはリビングで明りやテレビをつけたまま、いつも通りの朝のニュース番組が流れるまでの記憶がすっかり抜け落ちています」
 村橋さんが後に件の男がいた場所を確認すると、ベッドの骨組みを固定するボルトが抜け落ちて、くの字に折れ曲がっていたという。
 現在、自室のベッドの下はみっちり段ボールで塞がれているそうだ。

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別府

管理人です。ビックリしたときのリアクションは子供みたいです。

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