猫潰し

 仁田さんは小学校低学年時、子猫を殺すしかなかったという。
 父親より一匹につき五百円の小遣いが払われたせいだ。
 ガレージに置いてあるハンマーを使用するよう言われ、仁田さんは推奨されるがまま子猫を殺したという。
「潰すとさぁ、毛が赤まだらに濡れるんだよ。でっけぇ毛虫叩き潰している感覚だったね」

 小学校前にダンボールで捨てられている子猫たちを見たときは胸が躍ったそうだ。

 合計十八匹は潰し、父親に残骸を見せた。そのおかげで当時クラスで流行っていたゲームソフトを買うことができたという。
「その侘びっちゃあれだけど、今はアメリカンショートヘア飼ってるよ。可愛いんだこれが」
 なぜ父親が報酬をくれていたのか、その理由はわからない。二年前に親父さんは亡くなっているとのことだ。

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別府

管理人です。ビックリしたときのリアクションは子供みたいです。