拾った4ギガUSBメモリー

「その日は四軒くらいハシゴ酒したんだよ。だからどの店で拾ったのか、覚えてないんだよなぁ……」
 喫煙者の方にはわかると思うが、飲み会の場で他人のライターを持って帰るタイプがいる。
 本人には悪気はなく、机の上に置いてあったライターをただ習慣でポケットに入れてしまうのだ。
 長野さんもその手のタイプであり、自宅には購入した覚えの無いライターばかりである。
 ただ長野さんが先月ポケットにしまったものはライターではなかった。
 水玉模様の可愛い4ギガUSBメモリーだった。

 気づいたのは三日ほど後だったという。
「ジャケットのポケットに手をいれたらアレ? って思って」
 ライターほどのサイズだったので間違えたのだろうか。そんなことを考えながら長野さんはPCにUSBメモリーを差した。
 誰のものかわからないなら中身を確認するしかない。
 若干ではあるが『エロい』ものが入っていることを少し期待したそうだ。

 中身は写真だけだった。
 一目して要介護だと想像できる、痩せ衰えたお爺さんが全てに写っている。 
 それぞれの写真のファイル名は、お爺さんの状態だった。
『小便垂らし』、『アホみたいに相撲観戦』、『新発見。つねると泣き顔が子供みたい』、『叩いてから泣き止まない』、『熱いお茶はお好き?』、『ちょっと怒鳴っただけなのに』、『好き嫌いは許しませんよ』、『wwwwwww』
 最後の写真のタイトル。
『この後、喉をつまらせる。合掌』

 画像を見た後、長野さんは落し物として警察に届けたという。
「どうしようか迷ったけど……警察に中身見たなんて言うわけにもいかないし……」
 今でもどうすればよかったのか判らない。長野さんは苦虫を噛み潰したような顔をした。

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別府

管理人です。ビックリしたときのリアクションは子供みたいです。

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