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猫のクロちゃん

 建設業をされている畠山さんは西東京のアパートの一階に住んでいる。  朝の6時くらいと夜の8時くらい、リビングの窓に面した道路を、太った黒猫がのっしのっしと歩いていく。  その様は堂々としており、...

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蛇の目

 那須さんの元同僚は病的な女好きだったという。 「それもモテりゃまだいいけど、ぜんぜんダメ。典型的なキモオタなオッサン」  同僚は中井と名の46歳の男性だった。  確かに女性を独りよがりで追いか...

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怖い話を聞く

 怪談を話してくれるという方とのアポイントメントが続けて3件飛ばされる。  そのうち一人は「とっておきの怖い話があるんです」と話した、義理堅そうな女性だった。  どこか、嫌な予感がします。

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献花台

 霊感の強い黒田君は事故現場にあるような献花が大の苦手だという。  ほらたまに見るじゃないすか。ちっちゃい子が轢かれて死んじゃった場所とかに。いや、お供え物する気持ちはすげーわかるんすよ。  ...

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夏休みの宿題

 改めるまでもないが、以下の話は聞いた話を再構築したものである。 「存在しなかったやつと一緒に遊んだことある?」  私はある、と塩津さんは言う。  中学二年生の夏休み、場所は北陸の海沿い。当...

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どうして。

 そのとき星野さんは翌日の予定を考えていた。  午前中は定期の申請をして、昼休憩時には銀行に行かなくては。  深夜だった。  毎週木曜のお決まりのゴミ出しに、星野さんはほぼ無意識に玄関ドアを開け...

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立ち入り禁止

 東京郊外に住む理沙さんが徒歩10分のスーパーへと歩いているとき。  夕暮れまでは幾分早い時間だった。  早道を通ろうと、舗装されていない道へと足を向けると、黄色い帯が木と木の間に「立ち入り禁止」...

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擦られたタブー

インドネシア人のSさんは、毎年ある山を訪れるのを楽しみにしていた。 といっても山登りが目的なのではない。彼女の目当ては一本の木である。 その木は日本で言うところの「ご霊木」であり、神様が宿...

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悪魔

その日、小学生のDちゃんは友達と遊んでいた。 夕方になりそろそろ帰ろうかと話していたら、可愛らしい女の子が少し離れた場所から声をかけてきた。 「ねぇ、こっちで遊ぼうよ」 知らない女の子だ...

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シュウマイお化け

「シュウマイのお化けが出るからヤダ」  同級生数人と初詣に出かけた道すがら。昔から出る、出ると噂のあったマンションの話になって、シロノが言った。  件のマンションの前を通って行こうと言う話にな...

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黒い獣

「尻尾をつかみたくて、つい」 Mさんは少し恥ずかしそうに、旦那さんの携帯電話を盗み見たことを話してくれた。 話は数年前に遡る。 ある時から帰宅する度に妙な臭いが鼻につくようになった。 ...

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祟り三篇

踏殺 中国人の同僚の友人は四肢が関節ではない部分で外側に曲がっているらしい。 そのため立って歩くことができない。 原因は分からないが手足が曲がる少し前、友人は大きな蜘蛛を踏みつぶした。 ...

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キスはダメ。

Sさんは現在大学3年生。 一昨年、初めての彼女ができた。 付き合ってしばらくして彼女の部屋へ招かれた。それまで幾度となくデートを重ねていたのだが、精々手をつなぐことしかできないようなデート...

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ハッピー、メリー

私は策士なの、麻妃さんは言う。    ×   ×   ×   ×   ×   ×    とある職場での話。  そこではパートやアルバイトの女性が多く、入れ替わりも多かった。  三十代の...

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ひっくり返る

 ——京都はどうですか?  当時の同僚——主婦パートのヒラオカさん——に当たり障りのないことをたずねたときのことだ。 「う〜ん。おかしなところやなと思いました」  変に感染った関西弁が答えて、僕...

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いい人

 よくない知らせは突然だった。酒もタバコもやらない。おかしな薬も持病もない。  僕が知る限り、僕の周りでは限りなく頭も身体もまともなやつだった。ついでに一番巨根。  ICUから抜けたそいつはい...

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事故物件の向かい部屋

 場所と事件名は伏せる。  その条件で話を聞いた。  花子さんの父上は長年勤めた銀用を定年退職し、神奈川県に終の棲家を購入した。  マンションの一室だった。  昭和の時代は人気の土地であり...

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龍と人の化かし合い

 自分の男が飲めないからといって、人を愛の巣に呼びつけるのは止めて欲しい。  旦那不在の自宅でマリエちゃんはご機嫌に出来上がり、ようやく帰って来た家主は僕に「ただいま」を言うと早々に寝室へと消えてし...

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テラスから

 牛山さんが秋葉原を歩いているとき、右手上空から飛んでくるものがあった。  反射的に顔を庇うと、右腕に軽い痛みが走ったという。  見ると爪楊枝がジャケットを突き破っていた。前腕に刺さっていた。 ...

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メッセージ・イン・ア・カプセル

 お昼に食べるラーメンだけを楽しみに、エロショップへ出勤したある日。  店の前に見慣れないライトバンが止まっていて、店長が荷卸ししていた。 「おう、これ運んでくれ!」  挨拶も抜きにご挨拶だ。タ...

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マッチポンプなロミオとジュリエット

 見える人は、見える(と主張する)人を疑ぐってかかる。  こちらからすれば、まとめて「自称霊感さん」なわけだが……だって幽霊なんか見えないし。 「自分と同じものが見えてたら信用する」  異主、指...

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新しい職場

 この春に田無さんが配属された職場はやけに派遣が多かった。  数少ない社員に、なぜかと飲み会の流れで尋ねると、そっと耳打ちされたという。 「定時過ぎて残ると……視えちゃうらしいんですよ」  なに...

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ヒミツ

 今日も跳んでる。  ピョンピョン、ピョンピョン跳ねている。  ピョンピョン、ピョンピョン、ピョンピョンピョンピョン——  前に見てから二週間。いや、一ヶ月かな。一週間……?  蝶々じゃない。...

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現代式退魔法 a.k.a 封淫

 インテリアのように並ぶオナホールに絶句した。  愛車に乗せたぬいぐるみみたいに、TE◯GAに始まり多種多様なシリコン製ジョークグッズが肩を寄せ合っている。  ハテ? 仕事が終わったのか、今から仕...

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猿に似た……

 メールで頂いた話。  我が家の近所にお住まいの岡崎さんのお話しをさせていただきます。  岡崎さんは御年86歳ながら、足腰も元気で矍鑠(かくしゃく)としていらっしゃいます。  数年前にご...

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隣の芝生は青い

 今時どこにでも転がっていそうで、でもそうそうないようで……。  やっぱりある複雑な家庭事情の人の話はよく聞かされる。  フリーター時代に知り合ったブッチは不憫な子だった。  ブッチの母親が...

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賛否の齟齬

 変な時間に寝て、起きてする人間だから、おかしな時間に食事を取る。  学生の下校時間にブチ当たって、合間をぬうようにフラフラと近所のホカ弁に足を向けていた。  落とし物——。一瞬、お守りに見えたそ...

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旅する名刺

「つえの手を持つ所をはそん ◽︎こまっています  至急 作ってもらえませんか」  わけの分からないお願いを頂戴したのは、自宅マンションの駐輪場でのことだった。  出勤しようと原付にまたが...

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悪魔の証明

「チーズフォンデュは悪魔の食べ物だ」  トンデモな主張をして来たのは、知り合いのムラカミだった。  ワキガの味がしてカレーパンは食べれないという人間に出会ったことはあるが、悪魔の食べ物とはこれいか...

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空のカケラを伝染し取る

 カシャ、カシャと音が聞こえる。  スマホで写真を撮っている音だ。  音の"源"をフワフワと探っていて、お召し物はミリタリー柄で揃えた高校生ぐらいの男女数人が目に入った。自撮りしているようだ。顔に...

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